2024年5月15日 19時42分
岐阜 リニアトンネル工事現場周辺で井戸水位低下 JR東海が対策(NHK)
岐阜県瑞浪市(みずなみ し)にあるリニア中央新幹線のトンネル工事の現場周辺で井戸の水位が低下するなどしていることがわかり、JR東海は工事の影響とみて対策を進めています。
JR東海によりますと、去年12月中旬とことし2月中旬に瑞浪市の日吉トンネルの掘削工事現場の2つの区間で地下水が湧き出ました。
その後、瑞浪市大湫町にあるJR東海が設置した観測用の井戸で水位の低下が確認され、今月上旬には最大でおよそ40メートル低下しました。
周辺でも
▽個人の井戸9か所と
▽およそ40戸に水を供給している共同水源3か所
それに
▽ため池の2か所で水位の低下を確認し 水が枯渇したところもあったということです。
JR東海はトンネル工事の影響とみて住民に説明するとともに応急的な対策として、水の量が減るなどした家庭に対して上水道の水を井戸に引き込む工事を行っています。
トンネル工事の現場では今も地下水が湧き出ていますが、工事は継続しているということです。
JR東海は「早急に上水道の工事を進めるとともに引き続きトンネル掘削との関係を調査して真摯に対応します」とコメントしています。
住民 “水を元どおり使えるようにしてほしい” 井戸の水位が低下するなどした瑞浪市大湫町の住民からは、水を元どおり使えるようにしてほしいといった声が聞かれました。
このうち70代の男性の家では自宅にある井戸の水を料理や洗濯に使っていましたが、先月から水位が下がり水が出なくなったということです。
その後は、JR東海による対策工事で上水道の水が使えていますが、男性は「私が小学生の頃に父親が掘って作った井戸で、水が出なくなることはなかったので信じられない。冬は温かく、夏は冷たい地下水をまた使えるようにしてほしい」と話していました。
そして町内のため池では1か月ほど前から水が減り一時期、干上がったということです。
その後の雨で今はわずかに水がたまっていますが、ひび割れた底の様子が見えていました。
近くに住む30代の男性は「本来はオタマジャクシが泳ぐ時期だが水がなくなって干からびた死体にハエがたかっていた。例年だとウシガエルも鳴いていたが、ことしは聞こえてこない。火事になった時に消火の水を確保できるのか心配だ」と話していました。
また地域の住民でつくる団体、大湫コミュニティ推進協議会の加藤博一会長によりますと、町内の30戸以上に水を供給している共同水源も枯渇したため、別の水源から水をひいて対応しているということです。
加藤会長は「バックアップの水が枯れると多くの家が一斉に飲み水に困ることになる。リニアの工事をやらざるをえないことは理解していますが、JR東海が誠心誠意対応することを望んでいます」と話していました。
日本経済新聞
2024年5月15日 1:30
リニア工事で井戸水位低下か 岐阜・瑞浪で14カ所 リニア新幹線(日本経済新聞)
JR東海は14日、リニア中央新幹線のトンネル掘削工事を進めている岐阜県瑞浪市で、井戸などの水位低下を確認したと明らかにした。工事が原因とみられるという。同社は13日に地元住民らに状況を説明し、補償案などを示した。工事は休止せず、慎重に掘削を進める方針だ。
場所は市北部の大湫(おおくて)町にある個人宅の井戸やため池など計14カ所。JR東海によると、2023年12月と24年2月中旬に同町内の工事中のトンネルから湧水が発生したという。同社が大湫町内に設けている観測点で2月下旬以降、水位の低下を確認した。一部では使えなくなっている水源もある。
JR東海は応急措置として、影響を受けた家庭には上水道を使えるよう仮設の水道管をつなぐ。工事費用や水道代の増加分は同社が負担する。
使えなくなった水源については、代替する井戸の新設や給水槽の増設で対応する方向で検討する。土地の所有者と協議し、現地確認などを進める。JR東海は住民に対し、農業への影響が出ないよう追加で水位の観測点を設ける方針も示した。
毎日新聞
2024年5月15日 18:33
JR東海、井戸の水位低下を確認 リニア工事が影響か 岐阜(毎日新聞)
有料記事 JR東海は、リニア中央新幹線のトンネル掘削工事を行っている岐阜県瑞浪市で、井戸など14カ所で水位の低下を確認したと明らかにした。他に地下水に影響を与えるような工事は行われていないため、同社はトンネル掘削が影響した可能性があるとしている。掘削工事は今後も慎重に続けるという。
2024年5月15日 09:44
岐阜で井戸水位低下 リニアのトンネル工事影響か「慎重に続ける」(毎日新聞)
JR東海は14日、リニア中央新幹線のトンネル掘削工事を行っている岐阜県瑞浪市で、井戸など14カ所で水位の低下を確認したと明らかにした。他に地下水に影響を与えるような工事は行われていないため、同社はトンネル掘削が影響した可能性があるとしている。掘削工事は今後も慎重に続けるという。
同社によると、計32カ所の水源やため池、個人の井戸を調査したところ、うち14カ所で水位が低下し、一部は使用できない状況であることが分かった JR東海は14日、リニア中央新幹線のトンネル掘削工事を行っている岐阜県瑞浪市で、井戸など14カ所で水位の低下を確認したと明らかにした。他に地下水に影響を与えるような工事は行われていないため、同社はトンネル掘削が影響した可能性があるとしている。掘削工事は今後も慎重に続けるという。
読売新聞
2024年5月11日 05:00
御嵩町が条件付きでリニア残土受け入れ容認(読売新聞)
リニア中央新幹線のトンネル工事で出る残土について、御嵩町は10日、受け入れを条件付きで認め、JR東海との協議に入ると発表した。
処分場建設の是非を検討した「町リニア発生土置き場計画審議会」から、〈1〉「条件付きで認める」〈2〉「拒否」の両論で答申を受けていた。一方、重金属などを含む「要対策土」については、「他市と同じように、専門処理施設等による処理を求めることが適当」とした審議会の答申通り、受け入れは認めないとした。
記者会見した渡辺幸伸町長は、受け入れを条件付きで認めたことについて「町はリニア推進の立場にあり、事業を前に進めるために〈1〉の方向性を選択する。候補地での健全土の受け入れを一切認めず、協議に応じないということはしない」と説明。要対策土については「受け入れは認められない。JR東海には対策を求め、協議する」とした。近くJR東海との協議を始める予定で、渡辺町長は「大きな責任を持ってJRと協議し、町民には丁寧な説明をしていきたい」と述べた
産経新聞
2024年5月10日 19:56
リニア残土受け入れ協議へ JR東海と岐阜・御嵩 要対策土は受け入れず(産経新聞 岐阜)
リニア中央新幹線工事に伴う残土処分候補地になった岐阜県御嵩(みたけ)町の渡辺幸伸町長は10日、基準値を超える有害物質などが含まれていない残土の受け入れに向け、JR東海と協議する考えを明らかにした。
候補地は環境省選定の重要湿地があり、サシバやミゾゴイなどの希少な鳥類が生息している。渡辺氏は同日の記者会見で「生物多様性を保全する上で重要で、特に配慮が必要な場所であることを(町とJRの)双方が認識した上で協議を進めたい」と話した。
基準値を超える自然由来のカドミウムやヒ素などが含まれる「要対策土」については、町民の理解が得られていないことを理由に受け入れられないとした。
残土処分を巡っては、令和3年、前町長が受け入れに向けて協議入りする考えを示したが、住民団体などが撤回を求めていた。