樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

楽園の危機

2019年09月12日 | 野鳥
時間があると近くの干拓地へシギ・チドリ観察に出かけています。
これらの鳥は水を張った休耕田にやってきて餌を食べ、エネルギーを蓄えてから南の越冬地へ渡るのですが、今年はその湛水休耕田が激減。減反政策が廃止され、休耕しても補助金がもらえないためか、水田や畑地に戻ったところもあります。従って、鳥の種類や数も昨年に比べると大幅に少ない。
少ない湛水休耕田を丹念に探して、ようやくタマシギ親子を見つけました。この鳥は雄が子育てします。3羽の幼鳥を連れて先頭を歩くのは育メン。



水田や畑地に戻るだけでなく、昨年まで湛水休耕田だったところが水を抜かれて乾燥し、雑草が生えて耕作放棄地のようになっている場所も多い。後継者がいないからでしょうか。地元の高校周辺に10枚以上あった湛水休耕田はすべてこの状態。
下は比較的渇いた休耕地を好むムナグロですが、1週間後に訪れた時はトラクターが入って耕起していました。



農業のための干拓地なのでしょうがないですが、この状態が続くと、シギやチドリにとっての楽園が消失するかもしれません。
北陸新幹線の延伸ルートに入っているのでその影響を心配していますが、工事が始まる前に鳥がいなくなるのではないか別の心配が出てきました。
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2 コメント

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Unknown (kazuyoo60)
2019-09-12 13:54:11
湛水休耕田が、シギ・チドリたちには必要なのですね。、前にシギを見たのは水はけの悪い田んぼでした。、道からは、かなり下の田んぼ、ぬかるんでいたはずです。
楽園、ルートが繋がっていないと、来てくれなくなりますね。
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kazuyo様 (fagus06)
2019-09-13 08:08:51
シギ類は泥の中にいるゴカイなどの虫や貝などを食べるので、内陸部では休耕田などの湿地、海岸部では干潟に集まります。
こういう渡り鳥を保護するには、繁殖地、越冬地だけでなく、途中で立ち寄る中継地の環境も守らないといけないので大変です。
今、野鳥保護のために国際的なネットワークも生まれつつありますが、まだ十分ではないですね、
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