鳥と樹を観察するために通っている「栃の森」では近年シカが増え、その食害によって下層植生(=薮)が消滅しつつあります。約15年間野鳥の調査を続けていますが、薮で繁殖する鳥は10年ほど前から激減しました。ウグイスにいたっては、以前は記録するのが面倒なほど出現したのに現在はゼロ。
(地面近くの植生は壊滅状態)
ここを研究林にしている京都大学は、シカの食害が生態系に及ぼす影響を検証するため大規模な調査を行っています。先日、その中間報告会が開催されたので友人と2人で聴講してきました。
さすが京大、シカの食害と植物の関係のみならず水質や水生昆虫、アリへの影響など研究発表は7件。シカが草や幼木を食べる→土壌が弱る→雨で土が流出する→水質が変わる→水生昆虫が変わるという複合的な自然改変が進んでいるようです。
(異様に増えているオオバアサガラ)
私の興味は樹木との関係。以前も書きましたが、いろんな幼木が食べられる反面、オオバアサガラやテツカエデなど特定の樹木はやたらに増えています。「鹿が好む樹と嫌う樹があるからだろう」という推測を確かめるために質問すると、「スギや常緑樹は食べない。オオバアサガラの葉には有毒物質サポニンが含まれている」とのこと。しかし、それ以上の傾向は不明のようです。
そう言えば、以前ご紹介した森の牧場でも牛はスギやヒノキ、ツバキは食べないと言っていました。
(シカが食べないテツカエデの葉)
しかし、同じ針葉樹でもハイイヌガヤは食べ尽くされてほぼ壊滅状態。舌にチクチク刺さるはずなのに、ハイイヌガヤは食べてスギは食べないのはなぜか。テツカエデを食べないのはなぜか。疑問は残ったままです。
この鹿の肉を商品として流通させ、経済効果によって鹿を減らそうという試みが行われています。その一つが、地元の猟師と京都大学が協力して商品化した「鹿カレー」。さらに、京大のレストランでは「鹿肉フェア」を開催し、カツレツとキーマカレーをメニューにしています。
(鹿肉を使ったレトルトカレー、1個700円)
鹿の報告会に参加する前に鹿を食べておこうと、友人と2人で入店。カツレツは売り切れなのでキーマカレーをいただき、帰りにはレトルトカレーを8個買い占めて鹿退治してきました。
アメリカでヘラジカを食べたことはありますが、ニホンジカは初めて。レトルトカレーは肉片を鼻先で嗅ぐと牛肉とは違う匂いがしますが、口に入れるとカレーの香辛料でクセが消え、普通の肉としておいしく食べられました。キーマカレーは、ちょっと期待はずれ。
(鹿肉と豆のキーマカレー、714円)
なお、シカが増えて食害が広がるのも自然の推移で、人為的に駆除するべきではないという意見もあります。
(地面近くの植生は壊滅状態)
ここを研究林にしている京都大学は、シカの食害が生態系に及ぼす影響を検証するため大規模な調査を行っています。先日、その中間報告会が開催されたので友人と2人で聴講してきました。
さすが京大、シカの食害と植物の関係のみならず水質や水生昆虫、アリへの影響など研究発表は7件。シカが草や幼木を食べる→土壌が弱る→雨で土が流出する→水質が変わる→水生昆虫が変わるという複合的な自然改変が進んでいるようです。
(異様に増えているオオバアサガラ)
私の興味は樹木との関係。以前も書きましたが、いろんな幼木が食べられる反面、オオバアサガラやテツカエデなど特定の樹木はやたらに増えています。「鹿が好む樹と嫌う樹があるからだろう」という推測を確かめるために質問すると、「スギや常緑樹は食べない。オオバアサガラの葉には有毒物質サポニンが含まれている」とのこと。しかし、それ以上の傾向は不明のようです。
そう言えば、以前ご紹介した森の牧場でも牛はスギやヒノキ、ツバキは食べないと言っていました。
(シカが食べないテツカエデの葉)
しかし、同じ針葉樹でもハイイヌガヤは食べ尽くされてほぼ壊滅状態。舌にチクチク刺さるはずなのに、ハイイヌガヤは食べてスギは食べないのはなぜか。テツカエデを食べないのはなぜか。疑問は残ったままです。
この鹿の肉を商品として流通させ、経済効果によって鹿を減らそうという試みが行われています。その一つが、地元の猟師と京都大学が協力して商品化した「鹿カレー」。さらに、京大のレストランでは「鹿肉フェア」を開催し、カツレツとキーマカレーをメニューにしています。
(鹿肉を使ったレトルトカレー、1個700円)
鹿の報告会に参加する前に鹿を食べておこうと、友人と2人で入店。カツレツは売り切れなのでキーマカレーをいただき、帰りにはレトルトカレーを8個買い占めて鹿退治してきました。
アメリカでヘラジカを食べたことはありますが、ニホンジカは初めて。レトルトカレーは肉片を鼻先で嗅ぐと牛肉とは違う匂いがしますが、口に入れるとカレーの香辛料でクセが消え、普通の肉としておいしく食べられました。キーマカレーは、ちょっと期待はずれ。
(鹿肉と豆のキーマカレー、714円)
なお、シカが増えて食害が広がるのも自然の推移で、人為的に駆除するべきではないという意見もあります。
シカは京都では確かに増えているみたいですね。高野川を辿って、かなりの街中まで下りてきたのを目撃した人は多いようで、私も何度も見ました。
シカの食害の深刻さは前から知っていましたが、その一方で京都の街中でこんな大型の野生動物に出会えるということ自体、ある種貴重なことでもあるという思いも捨てきれず、結構複雑な気がします。
近くにいると思うと、何となくうれしいですよね。
研究報告ではシカが増えた要因として、①保護政策と捕獲圧の減少 ②拡大造林 ③暖冬 ④中山間地域からの人間活動の後退 ⑤野犬の減少 ⑥シカは何でも食べるので密度効果が働かない などを挙げていました。
もともとは日本海側にはシカはいなかったそうで、太平洋側から徐々に生息域を拡大しているそうです。富山県では100年ぶりにシカが目撃されたとも言ってました。
そちらのブログも拝見しました。私もこのブログに載せるために宝が池までオシドリの撮影に行きました。
カワセミの写真もきれいですね。
またコメントください。
やはりこの問題は今は全国的に起こっているんですね。
こちらではシカ肉はだいぶ扱う店が増えてきました。
ウグイスがいないというのは少しばかりショックですね。
私のホームフィールドのA公園は逆に笹が濃すぎるくらいなのですが、
それはまだエゾシカがたまに来るくらいだからで、
そのうちA公園にもエゾシカが住み着くようになれば、
アオジも多分減るだろうし、そう思うと寂しいです。
ただ、林床の藪が薄いかない森は歩いていると気持ちいですし、
草本植物が増えて面白いことは面白いのですが、
やはり程度の問題だと思いました。
鉛害には注意しないといけませんが、北海道では鹿肉が流通しているんだな~と思いました。
三重県の大台ケ原や日光の戦場ヶ原では、すでに鉄柵で囲ってシカを排除しているそうで、そのコストが1メートル5万円だそうです。
このプロジェクトを統括している教授は、シカの密度を落としても、もう植生の回復は無理ではないか、良くて現状維持しかできない、と悲観的でした。