樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

ハトは平和のシンボル?

2013年07月01日 | 野鳥
タバコをやめてもう何年も経つので、どんな銘柄があるのか知りませんが、昔は「Peace」が人気でした。
パッケージにはオリーブをくわえたハトが描かれています。このデザイン料としてアメリカの有名デザイナーに支払われた金額は150万円。当時の日本の総理大臣の月給が11万円だったそうです。



この「ハト=平和(Peace)」というアイコンはいつ成立したのか気になって調べてみました。オリーブをくわえた鳩のルーツは『創世記』の「ノアの方舟」ですが、それがなぜ、いつ、「平和」という意味を持つようになったのか?
一つの説は、ピカソが1949年のパリ国際平和擁護会議のポスターにハトを描いて以降というもの。ピカソはハトが好きで、あちこちに描いていますし、娘をパロマ(スペイン語で「ハト」)と名づけています。
ところが、ピカソよりも前にハトとオリーブで平和を表現した図案が、意外にも日本にあります。下は第1次世界大戦の終結を祝して発行された日本郵便の切手。ピカソのポスターより30年前の1919年(大正8年)のことです。



「ハト=平和」というアイコンが日本発なのか否か、これ以上は遡れなかったのですが、日本にはもう一つハトをシンボルにしているものがあることに気づきました。
八幡宮です。妻の実家の近くには鶴岡八幡宮があり、お土産はいつも「鳩サブレ」でした。さらに、京都の三宅八幡宮は、狛犬がハト、絵馬がハト、境内のお店で売っているのが「鳩餅」とハトだらけ。





しかし、八幡宮に祀られているのは軍神。昔の武士が武運を祈願した神様です。平和とは逆に戦の神の使いとしてハトが存在するわけです。
日本では「ハトは平和のシンボル」とは言えなくなりますね。
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4 コメント

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さすがギタバさん (fagus06)
2013-07-03 07:45:36
ハトにまつわる音楽のこと、よく思い出せますね。私もビートルズの映画はリアルタイムで見ましたが、そんなシーンがあったことは忘れています。
この記事を書くために調べていたときに知ったことですが、マジックに使われるハトは特別な種類で、普通のハトより小さいそうです。
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Unknown (guitarbird)
2013-07-02 11:31:05
ふたたびですが、そういえばボブ・ディランの「風に吹かれて」に、"How many seas must a white dove sail"という歌詞がありますが、その曲が出来た1962、3年頃にはもうハトは平和のイメージが一般的だったということなのかな、と思いました。

余談ですが、『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』の中で、楽屋でマジシャンと擦れ違った(確か)ジョンがマジシャンの胸を手で小突いたところ、コートの下に白ハトの羽がたくさん出てきて、「今日は9羽のハトが出る」と書いてあった看板の9をバッテンして8に直した、というシーンがありました(数字は違うかもですが)。
白いハトというと、実は私はそのシーンを真っ先に思い出します・・・(笑)・・・
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お父様は (fagus06)
2013-07-02 08:05:12
Peaceでしたか。缶入りのは「缶ピー」と言われていて、学生時代の友達もこだわって「缶ピー」を持っていました。私は「ハイライト」を吸っていました。
タカ派とハト派についてはいつか記事にしようと思って、情報を集めています。ニール・ヤングのそのアルバムの話もキャッチしました。多分、向こうから輸入したんでしょうね。
アオバトはなかなかカメラに収まってくれませんね。私も何度かポイントへ出向いたのですが、結局撮れませんでした。
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Unknown (guitarbird)
2013-07-02 07:12:20
おはようございます
私が小学生の頃、父がやはりピースを吸っていました。
ショートピースで紺色の箱のやつで、一度、父の日か誕生日か忘れましたが、いつも箱なので缶入りのを買ってあげたことがあります。
父はちなみに私が中学に入った頃にすぱっとタバコをやめて死ぬまで1本も吸わなかったと思います。

ハトの話ですが、日本のハトは軍神というのは興味深いですね。
ニール・ヤングのアルバムでHAWKS AND DOVESというのがあって、邦題がそのもの「タカ派とハト派」というのですが、高校時代にそれを知ってこの「タカ」「ハト」というイメージは日本でも向こうでも同じなのだと知りました(そのイメージは日本が輸入したのかもしれないですが)。

A公園ではいまアオバトがよく鳴いているのですが葉が茂った木の上で鳴いているのでなかなか撮れずに困っています(笑)。
アオバト大好きです。
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