樹樹日記

じゅじゅにっき。樹木と野鳥に関する面白い話をご紹介します。

鳥もどき

2012年03月19日 | 野鳥
日本で見られる鳥で最も大きな群れをつくるのは、冬鳥のアトリでしょう。20年ほど前、岐阜県の山中に数十万羽の群れを見に行ったことがありますが、谷一面を埋め尽くすように飛ぶアトリの大群は壮観でした。
2年前にも郡上八幡市に50万羽の群れがやってきたそうです。私は信用していませんが、アトリの名の由来は「集まる鳥」という説もあります。
下の動画は昨年の11月、栃の森で撮ったアトリの群れ。数百羽の小さな群れですが、それでも迫力があります。



こういう鳥の群れの動きをコンピュータで再現するために、あるプログラマーがBoid(ボイド)というシミュレーションプログラムを開発しました。
コンピュータ上の鳥に3つのルールを与えると、群れの行動がシミュレーションできるというものです。その3つとは、①分離(他の鳥とぶつからないように離れる)、②整列(近くの鳥に速度と方向を合わせる)、③結合(鳥が多くいる方向に向かって飛ぶ)。
分かったような分からないようなルールですが、この3つで鳥の群れと同じ動きがコンピュータ上で再現できるそうです。


群れでは大迫力のアトリも単独で見ると可愛い小鳥

BoidはBird+oid(もどき)=Birdoidを略したもので「鳥もどき」という意味だそうです。
次の動画はイギリスで撮影されたムクドリの大群ですが、これも3つのルールで動いているわけです。龍が空を飛んでいるように見えます。



このシミュレーションは鳥だけでなく、イワシやアジなど魚の群れにも当てはまるそうです。そういえば、鳥の群れも魚の群れも同じ動きですね。

コメント (2)
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