ライターの脳みそ

最近のマイブームはダム巡りと橋のユニークな親柱探し。ダムは目的地に過ぎず、ドライヴしたいだけ…。

絵空事でない話

2008-03-24 05:38:28 | 脳みその日常
世の中、平和であることに越したことはない。少なくとも自分の知っている人には幸せになってほしいと常々思っています。しかしねえ、なかなかそういうわけにいかないのが悲しいところなんですなあ。

久々の記事なので何か面白いネタを書こうと探していたのですが、面白いどころか「うわっ…」と嘆いてしまう話ばかりが耳に飛び込んできました。ひとつは年齢的には先輩にあたる人が嫁に逃げられたという話。本人から直接聞いていないので真偽のほどはわからんのですが、情報提供者によると逃げられたのはもう2年も前のことだそうです。ふた回りほど年の離れた嫁さんで、結婚当初、周囲からは「ありゃ犯罪だ!きっと手篭めにしたに違いない!」と笑いながら祝福されていたのですが…。

ただ、その嫁さん、若いというだけで家事は一切できず、料理すらしなかったそうな。もっとも、旦那のほうがそのすべてを完璧にこなしていたので、周囲も「まあ、ああいう組み合わせもありなんだねえ」と認めてはいたんですがね。しかし蜜月は長くは続かず。情報提供者の口ぶりだと、どうやら嫁のほうに新しい男ができて、「ハイ、サヨナラ~」ということになったのだとか。いやー、初老男にとっては悲哀そのもの。気の毒というほかはない。

「嫁に逃げられるなんざ、まるで小説の世界だねえ」なんて思っていたら、その上を行くような話が別のルートから相前後して舞い込んできたわけですよ。結論からいえば「毒を盛られて大変な目に遭った」というお話。

これは現在ヨーロッパで活動している後輩の身に起こった出来事です。奴はとある歌劇場に所属しているのですが、数年前舞台練習をしている時、いつものように同僚からコップに入った水を手渡されたそうです。練習中はノドが乾きますからね。水を差し出すのは別に怪しい行為ではありません。で、後輩は何の疑いもなくその水を飲み干したのですが、しばらくして七転八倒の苦しみに襲われます。そして救急車で病院へ直行。ここまではよかったのですが、更なる悲劇が彼を直撃したのです。

理由はわかりませんが、なぜか彼はベトナム人と思われたのだそうです。まあ、そういうこともあるでしょうね。ヨーロッパ人がアジア人を見て「コイツは日本人だな」と一発でわかると思いますか? いやー、無理でしょう。逆に我々がたとえばルーマニア人をみて「この人はルーマニア人だな」とは判別できないでしょ? 国籍を判別するなんてそんなようなものですからね。

まあ、とにかく彼はベトナム人にされてしまった。すると病院は態度が一変し、彼を外に放り出したのだそうです。苦しみもがいている状態のまま…。ベトナム人は欧州では冷遇されているのでしょうかねえ。でも、なぜ?

苦悶している状態が続けば、通常なら落命していたことでしょう。ところが天は奴を見放さなかったのです。偶然に次ぐ偶然によって面識はないけれど現地に住む日本人に助けられたのだとか。まあ、よかった、よかった。

こんなストーリーって、まるで芝居そのものじゃないですか。毒を盛られるシーンといえば、たとえばアレクサンドル・デュマ・ペールの『モンテ・クリスト伯』(日本では『巌窟王』として知られるか)が思い出されます。映画では昨年公開された『アドレナリン』にもありましたねえ。そういえば『オペラ座の怪人』にもファントムが毒を盛る場面がありますなあ。また主人公ニキヤが毒蛇に噛まれてしまうのはレオン・ミンクスが音楽をつけたことで知られるバレエの『ラ・バヤデール』(ロシアでは「バヤデルカ」と呼ばれる)ですね。(もう、ええっちうねん!)

今回のケースは、とどのつまりオペラ歌手が現実に毒を盛られたわけです。役の中でならともかくリアルで体験するなんて、ホント、シャレにならんなあ。まあ、この場合はきっと同僚による妬みが犯行を引き起こしたのでしょうね。自分が評価されない苛立ちと他人に対する嫉妬。ひぃぃぃぃ、歌の世界はコワイねえ。

そんななかで頑張っている後輩は本当にスゴイし、ますます活躍してほしいと心から思いますね。それにひきかえワシの世界なんて「ぬるい」なあと、つくづく感じるこのごろ。
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