2020/10/20 記
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不登校・引きこもりの課題は、時代によって様相が異なる。いじめや貧困を背景にした追い込まれ型の不登校・引きこもりは、戦後から通底する形で一定数存在していたが、高度経済成長を通して、終身雇用の上昇志向の椅子取り競争の親世代の価値観が、終身雇用の終焉を象徴に、親の生き方と階層を継げないという社会の節目に到達する。親はモデルにならない閉塞した時代が1960年代後半〜1970年代前半の時代だ。
社会は学園紛争がひろがり、不登校・引きこもりの課題も社会の歪みを色濃く反映して、人生選択の拒否先送りや、受験偏向と競争激化に価値の限界をみたゆえの離脱が社会問題化していく。
受験偏向と競争激化は、学校現場では脱落ストレスによる離脱者攻撃が陰惨な屈折した形行われ、自閉症スペクトラムの子たちが、離脱者とともに、ターゲットとして、あぶりだされていく。スローラーナーが追い込まれていくのも、時代背景を持っている。不登校・引きこもりが合流する形で混在変化していく。
この競争下の学園生活排除の動きは、いじめと他者切り捨て無関心個人主義の蔓延として強まり、人生の早期挫折者を生み出した。
学園紛争の特徴は、進学校の反乱として始まり、大学ではそれが広範な支持を得ていく。
私はこの渦の最中にいた。私は生活環境の特異性(身体症状の個別性、学園外世界の獲得、家族介護補助・ケアラーとしての実生活者)より、教育批判者として戦い、浮き上がって挫折を味わう。
(つづく)