2014/09/27 記
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---- わーくNo.47 より ここから----
<<9/19 金曜ミニカフェ・レポート>>(第12回)
☆「救えたかも知れない命~災害4年目の検証~」(June 2014 NHK)
=東日本大震災・災害医療派遣チームDMATの総括~避難後、被災者/家族の医療協力の質は?~
●東日本大震災の被災者救助に活躍した災害医療派遣チームDMAT (Disaster Medical Assistance Team) は、大事故・災害時に多数の傷病者が出た場合、現場に派遣される訓練を受けた災害医療の専門職のチームであり、医師・看護師・業務調整員(医師・看護師を除く医療関連職・事務職員)で構成され、発災直後の被災地に派遣される。東日本大震災では津波や地震で陸路を断たれた被災地に、ヘリコプターをフルに活用し、自衛隊とともに被災者救護を行い、現地の病院や避難所で、救急治療活動を行ってきた。
●この番組を観ていると、奈落の闇が滲み出すような不安が迫ってくる。それは、大型災害の緊急事態が行政や病院は想定内であるだろうと思い込んでいたことが、もろくも揺らいでしまう現実を見せつけられるからだ。「後からなら何でも言える」と反発がでるかもしれない。しかし原発の件もそうだが、外から見ると磐石であるかのようにみえるシステムが、意外なほど簡単に機能停止してしまう現実を見せつけられると、不純要素をもともと組み込んだシステムとか、ネットワークの柔軟性などの研究が、現場に生かされているとはとても思えない事態が進行してしまうことを再確認させられる。勿論それを持ってDMATの貴重な救援活動を否定するつもりは全くない。
●石巻赤十字病院の発災時の様子が描かれていく。多数の傷病被災者をトリアージして、緊急性の高い順に治療を行おうとする。するとそこに次々とイエロータグの方(治療に猶予がある方)が次々に同じエリアになだれ込んでくる。それに加え、助け出された要介護の高齢者が運び込まれてくるという混乱。一刻も早く家族を治療して欲しいがために、レッドタグ(要緊急治療)の方の治療中に割り込んでくる。これは、被災が巨大なために被災傷病者の数が爆発していたことや、医者・看護師の絶対数が少ない上に、地域には分散させる医療施設がない(石巻市民病院は流され,機能停止等)、津波のためにDMATの応援が入るまで時間がかかったという悪条件が重なっていく。外来・病棟・病院の廊下に被災傷病者が溢れてしまうという状態。勿論、医薬品が底をついてしまう。
●次の段階は、施設の低温・混雑した悪環境の中で、イエロータグの方の症状が急に悪化、半身麻痺などの要介護高齢者の発症などなだれ現象が起き、命を落として行くという最悪の経過をたどっていく。緊急外来の対応は、災害時を含んで検討されていたはずなのだが、キャパシティを超えると、システムの崩壊が始まってしまう。地元医師・看護師への命のかかった労力集中が昼夜切れ目無く要求されて、心身の限界に晒される。家族・地域住民協力者は治療を代行できないが、
ただ家族の傷病者を抱えている以外ないのか。ここに緊急医療の穴が開いている。警察の立場からすれば、被災者の二次被災を恐れるから、防寒衣類や飲料水の調達などに、消防団以外は協力を求められない。施設の確保やDMAT用ヘリポート確保以外にも民間協力が見えないのだ。
----- ここまで ------
日本医療社会福祉協会にお礼の電話を入れつつ、在宅被災者支援の活動の中で、仮設入居者と比較した差別的な待遇の問題は、どのように関わって解消に向かわせているかという話を無理難題と知りつつ伺った。地域ケアネットの芽となる地域連絡会で状況の共有を図るところから始めるということらしい。歯がゆいがそうだろうと納得した。
赤十字情報まで聞けなかったが、これからの被災地探索の際のMSWさんという手がかりを得たように思う。
「懇話会ニュースNo.10」は、「わーくNo.047」のあと発行予定。しかし懇話会は年3~4回懇談する。次回は被災障がい者団体または施設の関係者を呼びたい。交渉は始めているが…。
夜間傾聴>開店休業
(校正1回目済み)
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