2015/08/27 記
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(つづきより)
急性期から回復期に移る頃の避難所では、生死の境にはいない寝たきり負傷者や、発災前からの寝たきり状態の方の周辺の出入りが、家族の安否をめぐって激しく行われていた。緊急時に自分が関われない疎外感や不安感が高まると同時に、認知症などの自己観察力が低下した方も、生活環境の悪化によって、体調を悪化させていく。
ただここで、もうひとつの変化も起こる。自衛隊・医療ボランティア・先行生活回復支援ボランティアや、地元自治会の避難所運営会議結成と活動開始がそれであり、彼らのアクセスが始まる。支援物資の配給・食事の提供のサービスが始まり、救護所における診察・巡回看護が始まる。
支援活動により生活用品・食料が不定期に家族のもとに届けられる。この配給をめぐっては様々な問題が起こるが、これについては後で取り上げる。家族には配給確保という仕事が増える。避難所内の寝たきりの方たちのところにも、これらの物資・食料が届き、食料内容に偏りがあるが栄養環境は改善する。しかしこれらの多忙な配給作業の影で、運営支援者たちの保健的な眼差しは希薄になっていく。ゆえに、週に一、ニ度程度の看護医療の関係者の接触があっても、寝たきりの方の孤立感・閉塞感・不安感は持続して行く。避難生活という不安定な時間が、身体の状態を蝕んでいく。
褥瘡(じょくそう)の悪化、室温とフローリングの床の体温拡散・床近くの呼吸によるアレルギー因子の塵誘引などの悪環境の持続が心理的なストレスと重なり、症状の悪化、ひどい場合は衰弱死へと引き込まれて行く。
感染症を別格として、特に怖いのは、身体を動かさなかったことによる「エコノミー症候群」のような血栓がもとになる脳血栓や心筋梗塞、また、口腔内汚染や食料誤嚥による誤嚥性肺炎が入所高齢者の連続死を招きかねない。衣料配給によって低体温は防げるようになるが、逆に体育館避難所のように、日中室温があがり熱中症の危険も出てくる。おむつ使用者が入浴できないため、充分な清拭が出来ないことが原因で膀胱炎になり悪化、感染症から敗血症を起こし死に至るあらゆる危険疾病が山場を迎えて行く。
この時期に、医療関係専門職の外周にあって、巡回対話と観察を行う素人の目を育成していくことが、家族の「看護介護学習」と併行して必要となっている。実践的には、配達とか、トイレ介助とか、食事の介助という具体的な支援ボランティアが、同時に行う「巡回対話と観察」というあえて非効率な仕事を意識化していく必要がある。大災害時、大人数の被災者を医療専門職の方にすべて預けること自体無茶な話と思っていい。
収容時の「市民トリアージ」に始まり、避難所内巡回支援の医療的な眼差しの獲得とケアは、東日本大震災の教訓を東南海トラフ地震等大型震災の防災活動の、地域環境回復活動・安全避難活動と並ぶ活動として、推進していかなくてはならない活動である。(遠く地域包括支援の萌芽でもある:蛇足)
次回は、要援護者の避難所移動時の話と、避難所入所できなかった方との課題を追う。
(つづく)
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相模大野校は、いよいよダメになっている。夏期講習終了後半年、居残るべきか否か考えている。困難を抱えている子の支援は異端なのだろうか。
JR相模原の方の塾の生徒さんの中に、PT志望の子がいる。茅ヶ崎の駅前で偶然出会った某病院の元PTさん(元、私のリハを担当してくれたチームのひとり。今は管理職。)を捕まえて、缶コーヒーで、立ち話した。喫茶に入るのを嫌がるので、苦肉策。お金かかるよー、体力勝負だしねーとのこと。缶コーヒー、損したと思いつつ、先ほど生徒さんに伝えた。まあ、いくつかヒントは、あったので…。アスペのことは先方、知らないというびっくり場面もあった。
新規の社会人さん、大学進学希望。健常者の引きこもり体験者。年齢ハンデ以外は進学予備校の方がよさそうな感じ。うまくいかないものだ。
NHKの論説番組でマイナンバー制度の特集2回。行政の側の管理上の利便性の論理。病歴・常用薬などは「おくすり手帳QRコード版」の形で分散する方がいい。
夜間傾聴>ひとり
(校正1回目済み)