台風が近づき／養護学校就労促進の会フォーラムに参加して

昼に森野のジョナサンで町田さん（仮名）と会った。自主レポートを受け取って驚いた。楽譜なのである。町田さんはピアノを習っていた。私には、さすがにちんぷんかんぷんわからないのだ。丁寧に描いてあって、わからなくてもいいのだという。台風接近で雨で濡らしては大変とペーパーホルダーに入れたものをポリ袋に入れて、安物ショルダーに折れないようにしまいこんだ。「これは、わからないから評価できないぞ」と、率直に謝った。もう一通は簡単な教科テキストの定例解答ノートと、私が出した「マンモスは生き返るか」というテーマの取材レポートだった。中間報告なのだが面白かった。データとの対話であるが、モノローグなのである。

町田から横浜線で、新横浜に向かうところまでは予定通りなのだが、一本乗り遅れた。尾篭な話で申し訳ないが、急にトイレに行きたくなった。これが実はこわい。私は右膝骨折の後遺症で和式トイレが使えないからだ。ところがこういうときはなぜか先客がいる。結局２箇所目で待って用を足すことができた。駅構内に入らずに正解だった。

座りながら考えた。楽譜を読めても評価できるものはいない。困ったなと思いつつせめて曲の感じがわからないか、考えた末、そういえば「Finale Note Pad」を持っていたことを思い出した。スキャナ読み取りができないから、写譜してソフトに読ませてみようということになった。

----- 夜、初めを写して音を出してみてすぐにわかった。森山直太朗の「さくら」だった。どうやら丸写しらしい。私に対しての優しいちょっかいであることがわかった。曲がわかるのだもの。

そんなことをしていたので、神奈川養護学校就労促進の会フォーラムの会場到着は大幅に遅れてしまった。横浜市スポーツ医科学センターというところがわからない。私の頭には横浜市総合リハビリテーションセンターがあって、その一角だろうという謝った前提があったからだった。日産スタジアムの一角で、建物は違う。周囲に訪問者以外の通行人がいないのできくわけにもいかなかった。

３０分遅刻で会場に入ることが出来た。周囲は養護学校の教員ばかりで、民間団体など私ぐらいのものだろう。特例子会社/横河ファウンドリー(株)の元取締役の箕輪優子氏の講演だった。春先、学会企画で講演を聴いていたから内容は少々がっかりしたが、内容は勘所を得ているので納得できた。経験的な話が魅力ではあるが、状況の中の障碍者の変容をもっと浮かび上がらせてほしかった。これは障碍観にも及ぶ話ではあるが、障碍は器質的なものであるか関係性に本質があるかということなのだ。就労を失敗させる要因は「決め付け」にあるのだという点は正しい。しかし場面への適切なガイドというところに話が流れるのはどうも議論が技術に流れているように思える。彼の内発性が抱えきれていないように思う。ロールプレイに繰り返し登場する意味理解の困難さを繰り返すたびに、それは現場指導者の眼差しにすり替わっていく。「障碍者の身になって」という対極化なのだ。一緒に場面を構成できない問題が依然残されているように思える。

------

北新横浜側にでると「すき屋」があることを知っていたので、雨の中店に飛び込んだ。茅ケ崎サポセンのレターケース投函に準備した原稿が案の定、縁が濡れかかっていた。カバーを直して、とりあえず丼をかきこむ。（糖尿病なので半分）駅前のコンビニでコピーをすませ、地下鉄で戸塚まで出てしまい、辻堂で乗り継いで茅ケ崎に出た。（＊君の現場をどうも素通りできないのだ。）茅ケ崎サポセンについて呆然としてしまった。土嚢はきれいに積まれている。しかし、サポセンが閉まっているのだ。台風が近づいているのに利用する人がいないことはわかる。しかし計算外だった。

茅ケ崎祭り囃子の聞こえる駅前を抜けて帰宅した。カバンの中はじっとりと雨水に濡れていた。カバーしたものの安物バッグは注意したほうがいい。


夜間傾聴：町田さん（仮名）＞曲名がわかったぞと。
　　　　　中延くん（仮名）＞連休が台風でつぶされオヤジがいる…と

今日の作業：藤沢の推進センターのガイドブックの団体登録原稿を書く。締切り間際。


-------------------------------------
（参考資料？）
PP418 さくら(独唱)/森山直太朗 (楽譜)
出版社: フェアリー (2003/4/18)
ISBN-10: 4894429357
ISBN-13: 978-4894429352



（校正１回目済）