名勝・錦帯橋は市の観光のシンボル、その歴史と架橋技術の高さは歴史に名を残している。錦帯橋そばには四季それぞれの花が咲く。日本で2番目の長寿桜に大小の名のある樹木、野鳥の飛来など観光の人はもとより、市民の憩いの場の吉香公園がある。その周辺には岩国藩時代の歴史を伝える立派な施設もある。
そんな一角に、旧岩国高校武道館横にバラ園があった。数年前、あるライオンズクラブの肝いりで整備され、消毒や剪定など管理をボランティアの力で咲かせていた。その時期には訪れる多くの人を喜ばせていた。多くの写真愛好家もカメラにおさめていた。最近、廃園になるらしい、という噂を風の便りに聞いていた。その頃から、手入れがおろそかになっていくのは素人目にも分かった。
噂は現実になった。バラは取り除かれ、その苗木が希望者に無料配布された、と苗木を手にした人から聞いた。確かに、バラ園の痕跡は全く残っていない。バラ園跡の活用が気になるが、そこは広場とかグランドとかに変身という。地区には盆踊り会場になる適当な広場が無いので、盆踊りが開かれるとか。ほかの活用もあるのだろうが、単なる広場とは情けない発想だ。
地元の人でもバラ園が消えること、広場になることを知らない人もあるようだ。多くの観光客が散策する公園、単に広場に変わるという情報が私の聞き間違いであることを願う。そして、公園にふさわしい跡地利用を関係者は検討してほしい。