少子高齢化、老々介護、高齢者入居施設の不足など我が身にも間近に迫って来そう先行きの不安を感じる報道を目にしない日はない。国民健康保険や介護保険で納める保険料は厚生年金の約2カ月分弱、つまり年金1回の支給分は生活費には使えない高額の保険料を納めていることは確定申告で分かる。高いか安いか、判断はいろいろだろうが当市は県内でも全国でも高額負担の自治体になっている。
そんな心配はさておいて「介護付有料老人ホーム」に入居している人に会いに行った。一歩足を踏み入れて驚いたのは「介護付老人ホーム」という名称にふさわしくない明るい建物とホーム入居者の明るさだった。きょろきょろしている訪問者に「こんにちわ」と声をかけられ、慌てて「こんにちわ」と返した。介護という先入観を打ち破ったもう一つは皆さん普段着を着用されているので介護されている印象がない。
職員の動作も明るくてきぱきとしている。入居者からすれば子や孫の年代の人が多く相対して若いと感じた。個室は広く訪問者もゆったりできるスペースに作られている。丁度、ティースペースで20人くらい方がお茶の時間を過ごされていた。皆さん車イスだがどなたも笑いながら過ごされている。いい施設だ、と心から思った。
高さ2メートル以上もありそうな書が架かっている。一つは吉田兼好の徒然草序章「つれづれなるままに日くらし硯にむかひて心の移りゆくよしなし事をそこはかとなく書きつくればあやしうこそものぐるほしけれ」、もう一額は西行の歌2首。書のことは分からないが、優しい書体は入居者の気持ちに寄り添うような感じた。
序章は中学の国語で暗唱したが今でもすらすらと言える。頭のどこかに残っているあの頃の若さが蘇らないかという願いで「日々のことを徒然に」というブログタイトルにしている。かなう日が来てほしい。
書家として有名な方なのですね。