日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

枯芭蕉

2015年02月12日 | ウオーキング 散歩


 立春から間もなく10日、ローカルでは梅の開花やつくしの映像が流れるな。一方では雪国の豪雪の状況も毎日報じられる。長い日本列島の南北の気象の異なりが大きい。北日本に流れる寒気はヒマヤラからとシベリア大陸からと北極から直行の3種類があるそうだ。このうち直行寒気団が強烈で豪雪に結びついている、と気象予報士の話。

 この季節、散歩の途中の道辺は春を待つ冬枯れした植物が多い。そのシンボルのような一つが芭蕉で今の姿を枯芭蕉と呼ぶ。緑濃い威容を誇った大きな葉は、秋の暴雨風、冬の風雪などで細くずたずたに裂け、茎も崩れていく。その無残な姿になることに同情し「枯れっぷりのよさ」というそうだ。

 その枯れっぷりも1本なら哀れを誘うだろう。しかし、何十本も群生したそれが斜面の一角を占めると哀れというより廃墟した城郭のように見える。その昔は芭蕉の繊維を織って布とし、夏の着物や蚊帳などに使った記録がある。芭蕉紙は芭蕉布と同じ芭蕉を使い紙にした。その歴史は300年以上も前にさかのぼるという。原材料は異なるが和紙が世界遺産に登録された。紙の重要性を改めて思う。

 廃墟した城郭も、陽ざしが長くなると、崩れ落ちた茎の中から緑の茎がのぞき始める。それを見ると「生きていたか」と安心する。大方が水分というより水と言った方が似合いそうな芭蕉、その切り口から落ちる水滴を指し「斜面の崩れを防ぐ」と言いながら倒した芭蕉の片づけを祖父は手伝わせた。あちこちで見かける芭蕉、和紙ならぬ芭蕉紙としての復活は果たせないのか。 
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