日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

蜘蛛の糸

2018年08月12日 | 自然 季節

 朝、庭木のてっぺんに水をかける。粒となった水滴が段々落ちていく様子を見ていると、朝シャンとまではいかないが木が気持ちよさそうに目覚めていくように思える。枝葉とは別に水滴が朝日を受けて輝く所がある、それは蜘蛛の巣。蜘蛛が餌獲りのため張った巣に着いた水滴、毎朝、なかなかの芸術などと眺めた後で取り除く、その繰り返しは蜘蛛とのイタチごっこだ。

 蜘蛛は空間に糸を出し、風に飛ばされてどこかに引っ掛かるとそれを元にして巣を作る、だから離れた木と木の間でも張れると聞いている。見たことはないが、実際の巣を見ると納得できる。庭木の枝に作るくらい、お茶の子さいさいということで、イタチごっこになる。巣は見た目よりも強く、蛾が羽ばたいても破れない巣を見たことがある。人間が食となる魚を捕らえる網と同じだ。

 巣に掛かった虫などは、糸でくるくる巻にすると聞いていたが、そのくるくる巻をこの歳になって初めて見た。長さは1㌢ほどで巻かれた糸で真っ白、中の虫は何だろうと興味あるが伺い知るものは無い。蜘蛛はその白い塊へアプローチしているがその動作が何を意味するか分からない。塊の状態からどう口にするのか、のぞきすぎて巣に触れたため蜘蛛は動きを止めた。炎天下、見届けぬままに私が立ち去った。

 「蜘蛛の糸」と言えば児童向けの芥川龍之介の短編小説。慈しみあわれむ心を教える作品と言われる。蜘蛛の糸に我も我もと続く人の気持ちも、この糸は俺の物と言った気持ちもわかる。初めてみた蜘蛛の餌から思いめぐらす。
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