日々のことを徒然に

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芸州口の戦い

2016年05月29日 | しっちょる岩国

 今年は第2次長州征伐(ここ山口県では「四境の役」と呼ぶ)から150年、お隣の和木町では記念行事が行われている。この日は、「和木町四境の役150年祭記念シンポジュウム」を中心に多彩な行事が開かれた。記念展示では、役の貴重な史料の数々が展示され戦の厳しさを忍ばせる。参加目的の一つ「四境めし試食会」、限定配布のため列に加わる。竹の皮(もどき)に包まれた2個のむすび、戦のはざまに頬張ったでだろう「もぶり飯」をかみしめ味わいながら頂いた。

 四境の役は小倉口、大島口、石州口、芸州口の四カ所の国境で開戦された。和木町はその芸州口に当たる。戦のいわれを残すいくつもの跡がある。砲台跡を示す石柱はさくら公園に立つ。植え込みに隠れているが「四境之」の上部の3文字が見える。彦根藩士竹原七郎平の異境での死を悼み墓標と碑文が安禅寺に建つ。役の祭、御用宿となった浄蓮寺は町内の奥まった所にある。開戦の端緒となった封境之地碑、その向かいに竹原七郎平徒渉地点の碑が立つ。その上流、岩国市小瀬地区には長州藩遊撃隊士の墓が並ぶ籌勝院がある。

 シンポジウム「幕長(四境)戦争 芸州口の戦い」は全身を震撼させる四境太鼓の演奏で始まる。開戦に至った世界情勢とこれに対する幕府と諸藩の事情、四境それぞれの戦い方、長州軍を勝利に導いた縦隊・横隊・散兵の策、など7人の専門家の史料にもとづく解説は、眠くならずに聞け、参考になった。

 歴史を単に歴史として学ぶのでなく、「歴史の上にその時が存在している。先を見据えるとき今の状態がどういう歴史の上に在るか検証すること」、こんな趣旨の発言を複数のパネリストがされた。政治をつかさどる人らに聞いてほしい内容と思う。もう一つ、岩国市でもこのような催しが開かれることを願うというコーディネーターの発言に同感だ、拍手を送る。久しぶりの知人にも多く会えるなど有意義な一日だった。
コメント (2)
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