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『ジェイン・オースティンの読書会』第四章で重大なことに気付く。カードの使い方。

2013年12月16日 23時37分49秒 | 文学
カレン・ジョイ・ファウラーの『ジェイン・オースティンの読書会』を読んでいるが、あまり評価していなかった。おもしろくないことはないけれども、アメリカの創作教室で習う(知らないけど)、読者を飽きさせない方法を満載した小説だなというくらいの感覚で読んでいた。
第四章まで読んだところで重大なことに気付いた。
この小説は各章でジェイン・オースティンの六つの長篇小説の読書会が順番に行われるという設定の小説なのだけれど、読書会についての描写は少なく、もっとジェイン・オースティンの小説について登場人物が語り合うことを期待していたので物足りない思いがしていた。
第一章の『エマ』の読書会から順番に読んでいて、ついこの間僕が読んだばかりの『ノーサンガー・アビー』が第四章で取り上げられた。
ここでも『ノーサンガー・アビー』の読書会そのものはあっさりと描かれるのだが、そのあと登場人物がよく知らない邸宅に行き、その家のクローゼットを開ける場面を読んで、これはこの話全体が『ノーサンガー・アビー』の引用なのだと気付いた。
ということは、これまでも、そしてこれからも取り上げられるジェイン・オースティンの小説がそこかしこで引用され続けた(る)のだろう。
これでは読む前にジェイン・オースティンの小説を読まねばならないのではないか。『ジェイン・オースティンの読書会』は各章を読者もジェイン・オースティンの読書会に参加する覚悟で臨まないといけないのだろう。
とてもおもしろい試みだと思う。

『ジェイン・オースティンの読書会』で読書会用にカードにメモを残す、という場面があった。またこの間NHKの小津安二郎の番組で、脚本を書くときに小津安二郎と野田高梧がカードに場面を書いていたということを知った。
この「カード」というものに興味を持って調べてみると、梅棹忠夫の『知的生産の技術』にカードの使い方が書いてあるということが分かったので、読んでいる。
今後カードを使ってみることを検討している。
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