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堀江敏幸『おぱらばん』

2024年07月02日 23時01分20秒 | 文学
堀江敏幸『おぱらばん』(新潮文庫)を読んだ。
最初の表題作「おぱらばん」の、フランスにいる中国人がなぜだか「オパラバン」というフランス語をよく使い、それが彼らが使うフランス語の辞書のせいだという話が可笑しかった。そんなことはありそうに思う。
短編集だが、語り手は作者らしく思わせるように出来ていて、題材もほんとうに作者の身の回りで起こった出来事を題材に書かれているように思わせるように書いてある。なんでこんなふうに回りくどい言い方をするかと言えば、「ほんとうにそうなのかな」と何度か私が思ったからだ。
語り手の身の回りでなにかちょっとしたことが起きて、そういえばその後読んだ本にもこんな話があった、というふうにつながることが何度かあったように思うが、実はそれは逆で、何かの小説を読んで、その設定を使って自分の身辺にさも同じような出来事があったと創作し、話を作っているのではないかとも思った。
ほんとうのところはわからない。
特に前半、おもしろかった。
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