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ケン・リュウ『ケン・リュウ短篇傑作集3 母の記憶に』

2020年01月18日 04時46分37秒 | 文学
ケン・リュウ『ケン・リュウ短篇傑作集3 母の記憶に』(早川書房)を読んだ。

「母の記憶に」
短いものだがおもしろかった。読んだときの感想はここ

「重荷は常に汝とともに」
高尚な神話についての文学かと思ったら、税金の話だった。
そういうことはあるかもしれないな。

「ループのなかで」
兵器開発の話。
テレビゲームの感覚で戦争を行っていても人間は心を病んでしまうので、ゲームプレイヤーも機械にしてしまおうとする。

「状態変化」
意味が分かりません。
人の魂をあるものに付加させる、または憑依させて、それが無くなったらその人も終わり、というような話なのだろうか。

「パーフェクト・マッチ」
ジョージ・オーウェル『一九八四年』のアップデートといった感じ。
非常におもしろい。
私たちはネットの検索を使用し続けることにより何を失うのだろうか。

「カサンドラ」
予知能力のある女性がスーパーマンと対立する。
未来に犯罪を犯す人間を殺すことは許されるのか、という話。

「残されし者」
肉体を失っても生き残るために、コンピュータの中の存在になるために先に死ぬ。
そういう人がどんどん増えてしまって、コンピュータ上の存在になることが正しいとされる世界。
しかし、現実に生きている人が少なくなってしまって、物もエネルギーも無くなっていって、いったいどうやってコンピュータを維持させていくつもりなのだろうか、そこが疑問だった。
でもおもしろい話だった。

「上級読者のための比較認知科学絵本」
まったく意味不明。
SFファンはこういうのもおもしろいのだろうか。

「レギュラー」
女性の探偵が主人公のミステリ。
迫力があっておもしろい。
過去の失敗、刑事の元夫、犯人との対決、などよくある感じで、それが悪くなく、良い。
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