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エーリッヒ・フロム『悪について』

2020年01月25日 09時28分54秒 | 文学
エーリッヒ・フロム『悪について』(ちくま学芸文庫)を読んだ。
エーリッヒ・フロムの本は三冊読んだが、どれも興味深くおもしろい。
本の最後のほうの結論を述べるあたりで、油断しているとすごいことをどんどん言い出すので、なんだかもったいない気がしてしまう。そんなにたくさん一度に言われると印象に残らない。
死を愛するネクロフィリア、ナルシシズム、近親相姦的欲望について語った後、自由について語る。
《一連の決心が最後まで行われた時点で、彼はもう自由ではない。もっと前に、本当の決心をいまここでしなければならないと自覚していたら、彼は自由でいられたかもしれない。悪いものではなくよいものを選ぶ自由が人間にはないという見解に賛同する議論は、かなりの部分、人はふつう一連の出来事の、最初や二番目ではなく、最後の決心に注目するという事実に基づいている。そして実際に、最後の決心を行うときには、選択の自由は消えてしまっている。》(187頁)
どうしようもなくなるずっと前に選択して、そこに自分を持って行かないようにすることが大事だ。

スピノザ『エチカ』に興味を持った。
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