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夏目漱石『こころ』

2013年04月29日 17時18分28秒 | 文学
夏目漱石『こころ』(新潮文庫)読了。
久しぶりに読んで、この名作にだいぶ感動できなくなっているなと感じた。そこが感動的といえば言える。
夏目漱石では『それから』と『行人』と、この『こころ』が好きだったのだが。
遺書を読むと、先生は、必要なときに何も言わない人間で、しかし最終的には自分が得をするように立ち回るような人間だった。責任をとらない。結構ずるい。今日話そうと思っていたらKが自殺した、みたいに言っているが、自殺しなかったら、今日じゃなくて明日告白しようと先延ばしにする人間のように思える。人には真面目かどうか訊くくせに、自分はぜんぜん真面目じゃないじゃないかと思える。
しかし、そのような、恥ずかしい、人に言えないような人間性をきちんと見せるところ、そこを「記憶して下さい」と言うところ、に夏目漱石の良さがあるのだと思った。

引き続き『行人』と『道草』を読もうと思っている。
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