![葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)](http://ec2.images-amazon.com/images/I/41sFDgS0kDL.jpg)
ひさしぶりにミステリーを読んだ。
ミステリーでもっとも好きなのは叙述ミステリーだな、と思った。昔、筒井康隆の『ロートレック荘事件』を読んだときもそうだったし、島田荘司の『異邦の騎士』を読んだときもそうだった。最後にあっと言わせる叙述ミステリーは素晴らしい。
叙述ミステリーというのは、書き方の工夫で、読んでいるのに気付かないことを最後に明かして驚かせるもので、『葉桜の季節に君を想うということ』のアマゾンのレビューでなんとなくこういうオチかなと思っていたらその通りだった。その通りだったのだが、もう一つ隠してあることがあって、そちらで驚いた。
しばらく叙述ミステリーを読みたい。
![考える人 2013年 春号](http://ecx.images-amazon.com/images/I/519EHHitnJL.jpg)
小林秀雄の特集なのだが、物足りない。加藤典洋も橋本治も内田樹も登場しない。
どうしてこんなに内容の薄いものになってしまったのだろう。残念。
付録のCDが目的で購入した。
小林秀雄と河上徹太郎の対談なのだが、ふたりがどんどんよっぱらってきて、お互いの話をあまり聞いていない感じがよくわかる。それはそれで珍しいので興味深いのだが、内容はあまりよくわからない。
最初のほうで小林秀雄が、こんな徳利じゃ酒が飲めない、だめだ、って料亭に文句を言って取り替えさせているところがあるが、小林秀雄らしく、ちょっと凄いなと感じさせる。めんどくせえ親父だ。
テレビのスペシャル番組などで、お酒が入って出演者たちはおもしろそうにしているが、見ているほうは全然面白くない、このひと普段はもっとおもしろいんだけどな、と思うことがあるが、そのような感じ。お酒が入って内容の濃いものはできない。お酒が入って良い仕事ができるのはジャッキー・チェンくらいのもの。