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我孫子武丸『弥勒の掌』

2013年04月23日 00時02分50秒 | 文学
我孫子武丸『弥勒の掌』(文春文庫)を読んだ。
『殺戮にいたる病』は宮崎勤事件だったけれど、今回はオウム真理教なんだな。その時々の大きな事件を扱っている。
テーマが新興宗教ということもあるし、章ごとに主人公が交代するというところとか、村上春樹の『1Q84』を思い出した。
途中までは非常におもしろく、これは我孫子武丸の作品はすべて読むべきかもしれないな、とまで思っていたのだが、それまで膨らまし続けてきた風船が最後で一気にしぼむ感じだった。オチの部分も、ああそうですか、という感じで、驚きはなかった。予想できたわけでも、納得できないわけでもないのだが、まあ推理小説のオチですね、といった印象だった。だからいけないということもないけれど、まあ我孫子武丸作品はしばらく読まなくても良いかなと思った。
我孫子武丸が非常にわくわくさせるおもしろい物語を書くということは間違いない。
だんだん数が多くなって順位を付けるのが難しくなってきているが、

1位 『殺戮にいたる病』(我孫子武丸)
2位 『葉桜の季節に君を想うということ』(歌野晶午)
3位 『仮面山荘殺人事件』(東野圭吾)
4位 『弥勒の掌』(我孫子武丸)
5位 『イニシエーション・ラブ』(乾くるみ)
6位 『しあわせの書 迷探偵ヨギガンジーの心霊術』(泡坂妻夫)

『仮面山荘殺人事件』と同じかちょっと下か、ちょっと上という感じで、先に『仮面山荘殺人事件』を読んだから、そっちが上かなあ、というくらいです。
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