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☆よしもとばなな「アルゼンチンババア」感想

2006年10月29日 20時30分02秒 | 文学
アルゼンチンババアよしもとばななの「アルゼンチンババア」(幻冬舎文庫)を読んだ。
主人公のお父さんがどうしても吉本隆明に思えて仕方がなかった。
親が年を取るとか、呆けるとか、死ぬとか、だんだんとそういう問題が切実になる。
そういう悩みはある程度誰でも持っていることなのでそんなに恥ずかしくもないし悩みと言ってもみんなと一緒という気楽さがあるが、片方の親が死んだあとにもう一方の親が再婚する、とか、別の異性と性関係を結ぶとかいうことの、生理的な気持ち悪さも、これからは問題になってくるだろうなあ。
そんなことを考えながら読んだ。
アルゼンチンババアの臭さとか薄汚さは、新しく入ってきた親戚の気持ち悪さを表しているんじゃないかと思った。
なかなか面白かった。
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☆司馬遼太郎「翔ぶが如く(7)」感想

2006年10月29日 15時42分39秒 | 文学
翔ぶが如く〈7〉司馬遼太郎の「翔ぶが如く(7)」を読んだ。
とうとう西南戦争が始まりそう。
きっかけは太政官政府が、西郷隆盛暗殺のために薩摩に使者を送ったと、薩摩の私学校の人たちが思ったこと。このへんは本当に暗殺のためだったのか、単なる偵察のためだったのかははっきりとはさせていない。
戦争とはこのように始まるものなのだな、ということがよくわかる。
どちらにも義がある。

西郷隆盛の無口なところに結構腹が立つ。
自分は周りの人が決めたことに従いましょう、と思っているような態度(何も言わないので判らない)。そして周りの人たちも西郷さんはこんなふうに思っているに違いないという考えで物事が決まっていく。
まさにヘーゲルの言うところの、中国的、東アジア的な政治だなあ。
今でもあんまり変わってないようにも思う。
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