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☆「小林秀雄全作品13 歴史と文学」感想

2006年10月04日 00時27分54秒 | 文学
小林秀雄全作品〈13〉歴史と文学「小林秀雄全作品13 歴史と文学」を読んだ。
この時期、昭和15年から昭和16年、小林秀雄は歴史という言葉を多用している。
表題作の「歴史と文学」のなかにあったが、当時の流行の言葉であったようだ。
歴史よりも歴史観のほうを知りたがっていてはいけない。
というようなことを言っているのだと思う。
歴史観というのは、問題を入れたら答えの出てくる便利な計算機のようなものであるが、だいたいいつも答えは同じ。(あーとーでー、つまんないなあ。と続けて歌いたくなる)
歴史観という計算機は決まった答えしか出してこないものです、たぶん。
そうじゃなくて具体的に個々の歴史を詳しく知ったほうがいいよ、と小林秀雄は言っているのだと思う。

正宗白鳥との「思想と実生活」論争のときも思ったが、小林秀雄は英雄を引きずり下ろそうとする考えが嫌いなんだな。
英雄として尊敬したほうが学ぶところは大きい。
トルストイが奥さんを怖がっていたと考えたところで何にも得るところはない。
そう考えているのだと思う。
内田樹の「先生はえらい」の考えとよく似ている。

久しぶりの小林秀雄で、ちょっとリズムがつかめなかった感じ。こういうのは続けて読んだほうがいい。
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