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”朝吼夕嘆・晴走雨読”

「美ら島沖縄大使」「WeeklyBook&Reviews」「マラソン挑戦」

「実習引率教師」

2006年11月24日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 実習生には必ず教師が引率する。
わずか3日間とは言え、好奇心旺盛な高校生男女、親元を遠く離れ、東京の同じホテルで宿泊する。無事実習を終え、沖縄まで返すまでの引率先生の心労は想像を超える。
 先生にとってこの役務は必ずしも歓迎されるとは限らないだろう。にもかかわらず“㈱日本アドバンストシステムさんは勉強になるから”と過去、自ら望んで3回当社への実習引率をなさった先生もいた。

 先に書いたように当社の実習内容はホームページ作成。当の先生は自らメッセージを発信するほどのインターネットマニアだった。こう言う先生は珍しい。
そもそもその方面に強い生徒が当社への実習を希望しているから多くの場合、インターネットに関する知識は生徒の方が詳しい場合が多い。

 先年は当社の社員と大学が同期の先生が来られた。創業30年近くもなるとこう言う廻り合わせも出てくる。
 こうした引率先生とは別に実習引受前にも教師の訪問がある。どうやらこれは企業訪問による進路指導教師の研修の一環になっているようだ。そうした機会によって当社を知る県内高校教師は100名近いことになろう。
(写真は引率の先生と実習生を囲む社員と県出身OBによる歓迎宴)

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継承されない“イチャレバ、チョウディー”

2006年11月21日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 わずか10年間とはいえ、県高校生に接してその変化には驚かされる。
まず最近は、都会に対する戸惑いや好奇心はあっても本土に対するコンプレックスは感じられないこと。言うまでも無くこれは首都圏におけるスポーツ、芸能界での県出身の活躍やインターネットやメディアによる情報の至近性や同時性、本土出身者の県内移住やIターンによる同調性もあるだろう。その証拠か最近の高校生には本土在住中高年者に残るいわゆる沖縄訛りがあまり感じられない。
 むしろ私達県内出身の世代がもつ本土へのこだわりを無意識に移植しているのではと反省させられる時がある。
復帰前上京した私の話を聞いていた高校生が、怪訝な顔で“社長さん達、ずいぶん苦労したんですね”と言われたことがある。
 それだけ県内高校生の意識も急速に“本土並化”している証左かもしれません。反面、次の事実に接してショックを受けたことがあります。つまり沖縄の良さといわれる“イチャレバ、チョウディー”の意味を問うたところ、その時の実習生5名全員“それ何ですか”と誰一人として答えられない。“チムグクル“等のこれらの”沖縄美称“は他府県者が言うほど県内では若い世代に継承されていないことを思い知らされた瞬間でした。

 逆に「なんであんな良い所からこんな排ガス、騒音の東京に就職したいの?」と本土出身の先輩社員から問われ、戸惑う実習生もあった。“団塊の社員のセカンドライフの地・沖縄”と云わずとも、沖縄のもつ自然、人情のアメニティとホスピタリティーに魅せられ移住する人々は多い。現に当社の沖縄事業所にも応募、移住して来た本土出身SEが何人かいる。まして、最近は仲間由紀恵、国中涼子、山田優らタレントや宮里藍、諸見里しのぶ達女性ゴルファー、多くのインデーズ歌手を生んだ楽園・沖縄から“何で”という声が出てもおかしくはない。急テンポで変化する時代を感ずる瞬間です。



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「実習開始への挨拶」

2006年11月15日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 ようこそ皆さん、㈱日本アドバンストシステムへ。これから始まる職場実習に際し皆さんへ注意とお願いとがあります。まず服装、そして挨拶とマナーです。
時間厳守は当然ですが、皆さんがこれから三日間通勤するこの9階のビルにはそれぞれ別の会社が入居しており、皆さんはこれらの人々とこのビルを共用します。一階ホールやエレベーターには外部の人達が商用で来訪し利用します。 
 皆さんが裾出し・ベルトずらし服装や極端なミニスカート姿で出入りすると“職場実習”ということを知らない他フローアの勤務者は“7階はどうなっているの?”と当社を不信の目で見ることになります。皆さんは七階の㈱日本アドバンストシステムの一員と見なされます。残念ながら過去エレベーター内で騒いで管理事務所から注意されたことがあります。

 また、朝出勤したら“お早う御座います”帰社時は“失礼します”と挨拶しましょう。そのとき先輩社員皆が返事をしてくれるとは限りません。それでもめげずに元気に挨拶を続けて下さい。研修終了時、使用した机やパソコンはきちっと整理整頓し、椅子は全て机の下に差し入れて帰りましょう。
こうした些細なマナーが欠けても“沖縄の子は!”と思われます。ここでは皆さんは沖縄を背負うことになります。極端にマナー違反が続くと“来年からは実習生引き受けは止めよう”と皆さんの後輩の道を塞ぐことになります。知識や理解力以外にこうした行儀作法も評価されことを十分意識して下さい。

 社内には沖縄出身の先輩も大勢います。昼食事にはこれらの先輩社員との懇親交流の場も設けます。困ったことや判らないことがあったら遠慮なくこれらの先輩に尋ねて下さい。喜んで力になってくれる筈です。頑張って下さい。
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「何を実習するか」

2006年11月12日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 では、当社ではどのような実習を行っているか。
実は毎年参加実習生に母校紹介のホームページを作成して貰っています。勢い参加者は何らかのコンピュータへの興味と知識が必要で、その分狭き門になります。実習と言っても教室形式での講義とデスク実習となります。

 これで果たして企業現場の実習が叶うのかという疑問が残りますが、参加生徒にとっては学校とは違う、朝のラッシュー時の電車出勤、朝礼、自己紹介、先輩のレクチャー、懇談、そして最終目の作品発表と質疑応答等々わずか3日間とはいえ県内では味わうことのない首都圏でも会社勤務経験に触れることが出来るようです。彼等の率直な感想は後ほどご紹介します。

 3日間とは言え、私共受入企業としては参加者全員に一台当り実習パソコンを配置貸与、専任講師の張付け、会議室の占拠、懇親交流へのOB動員に対しと県からは多少の礼金は頂きますが結構ロードが掛かり大変です。
 しかし、真剣な希望に燃える若い実習生の瞳とその成果発表に接するのは会社では得られない新鮮な感想を私達に与えてくれます。
ことに最近の県高校生は復帰以前の私達世代と違って都会への好奇心こそあれコンプレックスなどは少なく、実に伸び伸びしています。ことに毎年のことながら女子高校生の物怖じしない積極性は際立ったものがあります。もっとも元々そうした気質の生徒が選ばれているとも言えます。
 実技実習以外私は開始スタートを含め以下のようなメッセージを彼等に送ります。(以下続きます)


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「高校生職場実習を受け入れて①」

2006年11月11日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)

 当社は上表のように過去10年近く、県内全71高校の凡そ半数の高校から延べ45名の実習生を受け入れて来ました。当社は高卒に適応可能な職種は限られているため、必ずしも採用を念頭にこの職場実習を引受けていませんが、過去3人の実習経験者が入社していますが一様にその勤務振りは評価も高く優秀です。
以降暫く数回に亘り、この職場実習の状況を受入現場からご報告します。

 沖縄県では県内高卒の就業率向上策の一環として毎年「県外企業職場体験学習実習」を実施しています。この制度には企業誘致による県内就業を高めるべきではという批判もありますが、昨年度同実習に参加した生徒の就職内定率は90%近くになり県内平均57%を上回るなど効果を挙げているようです。その外に、この実習体験から逆に「私には本土は向かない」と感じ、県内就職により強く拘った例も見ました。一件これは無駄のように見えますがマクロには本人と採用企業双方の早期退社の機会損失を未然に防ぐと共に就職への真摯なスタンスをもたらす効果もあると思います。さらに、実習を通し、より専門的知識を得る為に改めて進学の意志を強くし、履修卒業後には当社へ応募したいと表明した例もあります。
 その編成は毎年学校毎に希望者を募り、県教育委員会で調整後、東阪それぞれ30前後の事業所に延べ300名の高校生を1~2陣に分けて派遣、一社概ね10名前後・3日間の単位で実施します。受入事業所のほとんどはスーパー、レストラン等のサービス産業や組立てラインの製造業が多く、当社のようなIT企業先は少ないようです。

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「沖縄の子はフロントに」

2006年11月08日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 ずいぶん以前の話ですが、東京の企業団体と一緒に沖縄県主催する就職セミナーに参加する機会があった。那覇の宿泊ホテルも一緒で参加メンバー同士の夜の懇親会だけに採用企業側の本音がいくつか聞けた。他の参加メンバーは私の名前(重田)が本土風なだけに、県出身とは思わないせいか沖縄に対して遠慮がなかった。

 まず、懇親会に三々五々遅れてきた県学校側参加者の帰った後“オキナワタイム、先生達があれだからしょうがないねー」の声。印象深かったのはさるサービス業採用担当者の声。
「沖縄の子は人見知りせず明るいから接客のフロントにアサインする」と。これはいいけど、後の台詞に考え込んだ。「ただ、経理、総務等のバック業務には寡黙だけど比較的長期就業する粘り強い東北出身の子をアサインする」と。この発言に誰もとくに異論を差し挟まなかった。
これだと沖縄の子は専門的知識を必要としない、いつ辞められても困らないポジションにアサインされることになる。キャリア形成とまでは言わないが結果的にノウハウを身に付けるチャンスが少なくなる。
採用企業側の論理だけが至上とは思わないが、都心大手レストランでキビキビ働く、県出身らしい若い女性達の顔を見るたびに、あの発言を思い出す。

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「プロテストする沖縄農村共同体」

2006年11月04日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 又しても過剰表現と言われそうですが、当社採用担当者が応募者や内定者の父兄に連絡した場合、本土だと“この度は息子(娘)がお世話になります”等の挨拶があるが、沖縄の場合は“あんた誰ね”とまでは言わずとも、その応答が少し詰問調、ないしは質問調を感ずると言う。気のせいか那覇地区から離れるほど多くそれを感ずるという。

 どうしてそうなのか?その背景には会社より家族にウエートをおく視点があるのでは。つまるところ沖縄の親や若者にとって会社や職業とは組織体験をとおし課題達成能力を身につけ長期的にキャリアアップする場所ではなく、家族に一旦緩急あれば直ちに離脱可能な拘束性のない稼ぎの場とする視点。最も大事なのは家族や地域という価値観。

 実はこのことを痛感したのが結婚式。私はこれまで本土で10回以上、沖縄で数回、社員の結婚式に出席した。この時の際立った違いは本土の披露宴では私よりいかに年配で社会的に地位の高い人方が出席していても常に社長である私が主賓の挨拶をさせられた。
 ところが沖縄、それも都会化した那覇地区でない中北部地区では大体3~4番目のスピーチ。それも決まって「職場代表」という呼名だった。そのたびに「なるほど俺は職場代表か」という奇妙な感慨を覚えたものだ。
 この地域での主賓は議員さんや村長さん、または一族中の名望家がこの役割。新郎新婦当事者よりもご両親とのつながりの方が重視され、ご両親から見れば息子の東京の勤務先の社長等はそんなポジショニングになるのだろう。本土、より正確に表現するなら東京、大阪の都市部では人生の最も大事な行事である結婚時に勤務する職場の長を立てることによって以後の自分の生活と生涯を勤務する職場に賭けることを宣言する。事実はそうでなくても建前としてはそのように表明する。沖縄は違う。職場会社はいつでも代わりうる仮の在所であり地域と家族こそもっとも大切という視点。 
 その点からいうと冒頭の沖縄父兄の詰問調はヤマト・産業社会への農村・沖縄共同体からのプロテストとも言えるか。                
                              
                   

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「引続き、改めて!」

2006年11月03日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 私のこのPlogコンテンツが11月1日付沖縄タイムス紙コラム「時流表裏」に取上げられた結果、直接間接に多くのコメントを頂きました。
 中に“戦前ならいざ知らず、スポーツ、芸能界で県内出身若者が全国的にメジャー活躍している今時、100に一人程の希有な事例を面白おかしく、針小棒大に取上げ、まるで自分のトラウマ反映ではないか“
”何だかんだ言っても銭儲けのため、県内の子供を本土に連れて行って“等々冗談交じりとは言え、厳しい指摘。いや、参りました。

 まあ、否定出来ないコメントの数々ですが、このプログ発信は私の意見というより、いずれも当社で遭遇した事実の報告です。ただし、人材供給型要素が強く、それも技術革新と労働流動性の高い創業ITサービス企業という制約現場からの発信です。

 県出身の新卒者を継続採用、首都圏での就業形態を30年近く見ていると雇用者サイドからの観点に止まらず、日頃意識することのない沖縄社会の持つ独特の価値観や文化が透けて見えて来るような気がします。今後、ネガティブケースだけでなく追々沖縄出身者ならではのポジティブ話題もご報告します。
 もちろん雇用者としての当社の問題点も様々ありますが何より本土就職を目指す学生、およびこれから教え子を首都圏に送り出そうとしている教職、ご父兄の方々からの“面白い、参考になる。”という声に励まされ、恥を忍びつつ今後ご報告、アップして行きたいと思います。引続き忌憚のないコメントよろしくお願い申し上げます。

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「えー、社長さん沖縄出身ですか?」

2006年11月02日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 設立8年目、沖縄から採用した専門学校生が入社2年目に寮で死亡するというアクシデントがあり、社員の死亡という私にとって始めての経験で非常なショックを受けると共に人を雇用することの責任の重さをひしひしと感じさせられた。
 始業時間が過ぎても出勤しない部下が気になり、寮を訪ねた先輩社員が寝床で動かない部下の異変に気が付き、私と警察に通報した。
 枕元の錠剤を発見した警察は事故と自殺の両方から調べたが、薬の究明に手こずった。ほどなく錠剤は癲癇抑制剤ということが判明、学校や職場で発作を起こしたことも後で分かったが、入社前の健康診断等では分からなかった。

 現場に飛ぶと共にご遺族の同意も頂き、勤務事業所の地で同期生と大勢の社員列席の下葬儀を行ったが、社長としての初めての社内葬、この時には社会経験豊かな総務部長による遺族対応、葬儀等に関する冷静・的確な指示・采配には助けられた。

 初七日、沖縄の実家にご焼香に伺った時の親族の私を見つめる厳しい視線を忘れることが出来ない。中でも教職にあった故社員のお姉さんの「死亡前の作業日報を拝見出来ますか」という詰問を覚えている。もう一人のお兄さんが“まあ、まあ”とお姉さんとのやり取りを取り持っている最中に、当のお姉さんが“えー、社長さん沖縄出身ですか?”と尋ねて来た。“はい、私は安謝中、那覇高校卒です”と答えている内に件のお姉さんの険しい表情が俄かに和らぐのを覚えている。

 重田という沖縄にはめったにない私の名前に“このヤマト社長”と思っていたのではと後で思い返したものだ。
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「沖縄の方はちょっと②!」

2006年10月29日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 前回、当社県出身社員向けの寮・アパートを斡旋する不動産屋さんから表題のようなクレームを受けたことを紹介しましたが、少し前にもこれに類する事例があった。
 当社総務担当者が社員向け借用の部屋・アパート返却の際、保証金返却にともなう“原状回復経費”を家主と何度か折衝する際に気が付いたことがある。
 それは県出身入居者に共通する特徴として風呂桶の汚れとその清掃修復費の高さ。真っ黒になった汚れだけでなくどう見ても使用の形跡がなく、物置になっていることに気付いた担当者は私に「社長!どうも沖縄の子は家で風呂を洗う躾が出来ていないようですよ」と報告して来た。

 何人かの入居社員を呼んで話を聞いたところ、入居以来風呂桶は使っていないのがいた。沖縄の実家では専らシャワーのみで、お湯を満たした湯船に入ったことは無いという。従って洗ったことも無いという。
 そうか!今はいざ知らず、年中温暖な沖縄、私が住んでいた頃の近所でもシャワーのみで湯船風呂を備えていない家庭は結構あった。要するにこうした生活習慣の違いと“無用の長物”風呂桶から来る結果だった。
 もちろん、本土出身の社員の中にも風呂だけでなく“独身社員寮に蛆が湧く”ごとく、一度も部屋を掃除せず返却時、原状留めないほどに汚す者もいる。

実はこうした苦情は全沖縄出身採用の1割にも発生しない極く稀な事例で、これを針小棒大に伝えたことになります。また、こうした事例は当然のことながら本土出身者にも同様に見られる例で、決して沖縄出身特有に見られることではありませんが、同じ行状でも県出身だと“沖縄の方はちょっと”ということになるのは当社が何度も経験した事実です。


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「沖縄の方はちょっと!」

2006年10月25日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 いまどきそんな話あるの?と云われるでしょうが、これ本当にあった話。

当社の本社はいま五反田ですが、創業から20年は三田の慶応大学近くにオフィスを構えていた。表題はこの三田の不動産屋さんから言われた台詞。その理由を聞くと以下のようだった。
 創業の頃は本社オフィス近くに、上京する県出身用にアパートを借りて寮としていたが、当の不動産が斡旋した大家さんから、入居していた当社の社員に対し苦情があったとのこと。
 調べてみると入社3年目の女子社員が3ヶ月以上6畳の賃貸アパートに沖縄から来た友人を泊めていたとのこと。契約上は一人入居ということは知っていたけど、困っていた友達を“イチャリバーチョーディ”の精神で泊めて居たらしい。
 実はこの不動産屋さんからはこれに先立ち、別のアパートを斡旋され県出身の男子社員を入居させていたが、毎週末部屋に友人連を呼び集め懇親していると階下の大家さんから注意を受け引越した例があった。
 以後この不動産屋は当社が寮賃貸アパートを斡旋依頼する度に申し訳なさそうに冒頭の台詞を言われ、社員教育の不足を指摘されたような気分になりました。
 それからの数年後のバブル景気の頃、千葉県稲毛市に5階建てのマンション一棟を寮用に借りて、沖縄出身者中心におよそ30名の社員を入居させた。ところが近隣の住民からマンション入居社員が週末深夜まで煌々と電灯を燈し、騒いで安眠妨害というクレームが入り、総務部長が何度か大家さんにお詫びと入居社員に注意指導に出向いたことがある。
 「どうも沖縄の若い人は賑やか過ぎて」というマンションオーナーの微温的なコメントに“これ、差別ではないですか”等という気にはとてもなれなかった。

 言うまでもなくこの種話は今時の若い人には何処でもあるでしょうが、こと沖縄となると殊更”ちょっと”ということになる。差別というより、遠隔地方の特徴として意識され易いということでしょう。
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「あんた、誰ね?③」

2006年10月24日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 先にアップした表題のコンテンツに対し、Blog上へのコメント以外に直接メール等の反響頂いた。
 実は当社採用担当者に表題フレーズに続き「本土就職?うちの子は東京なんかに行かせませんよ」と言った電話主の子女は県内文系4年生大卒の女性、今年で入社5年目。入社2年目にして本土出身の彼氏を見つけ結婚、今2歳のお子さんを保育所に預けながらシステムエンジニアとして今も頑張っている。

「あなた入社前の彼氏に会うために我社に応募して来たんじゃない?」というセクハラもどきの私の質問に「違いますよ。入社後ここで見つけたんですよ!」と憤然と答える。この社員、毎年の経営方針説明会でも並み居る先輩をものともせず、決まって挙手、質問して来る。かと思うと説明会後の懇親会、何となく敬遠され、空席がちの私の近くに真っ先に寄って来て、「社長、その後体調どうですか?」といいながらビールをお酌する。
 冒頭の電話エピソード。実家に帰省した折、当の祖母に話すと「あたりまえさー!子供が知らない東京へ行くんだよ。今でも何度でも言うさ!」と答えたという。「私がちゃんと話さなかったのが問題でした。でも社長!これ個人情報ですよ。やたらに漏らさないで下さいよ」と釘刺された。

 過去、この例の様に沖縄の女性応募者には面接時、将来に期待を抱かせる元気且つ積極的な応答する例にいくつか出合った。つい数年前にも高校生を感じさせないしっかりした女性応募者を採用したことがある。果たせるかな、入社後大卒にも引けを取らない仕事振りで大いに嘱望した。
 ところが当然というべきかこの手のタイプには人生万事にアグレッシブで、4年を待たずさっさとパートナーを見つけ懐妊、退社した例があった。辞表を見た時は一瞬“なんだ!”と思ったが、これも社会貢献と思い直し“元気ないいお子さんを頑張ってね”と送り出したものです。
 以後面接でインパクトを受ける女性応募者に会う度にこのトラウマ数例が胸中を駆け巡り、“また社会貢献か”と悩むことしきりです。

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「あんた、誰ね?」

2006年10月11日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 タイトルは当社の採用担当者が採用内定した沖縄出身者の自宅に電話連絡入れたときに父兄から返って来た返事です。それに追い討ちを掛けるように「本土就職?うちの子は東京なんかに行かせませんよ」と。当の担当者はたまげて「社長、参りましたよ。沖縄ってこれですか!」と相談を受けた事例がある。

 要は就職に関して親子間でよく話し合われていなかった例だが、この父兄の対応の底には“ヤマトの会社は内の子を騙して”とまでは言わずとも、会社や本土社会に対する不信感のようなものが窺える。
当の父兄や周りに本土で働いた良い思いがないのではないか。会社組織に入り、キャリア形成した成功事例の見聞がないのではないかと思う。

 そもそも大事なのは家族や地域であって、ましてや会社等というものは稼ぐための仮の居場所で、生涯を捧げる対象ではないという価値観。行き過ぎた“会社人間”に対するアンチテージェーで、ここに“一周遅れの先頭ランナー”としての沖縄への賞賛があるのだろう。
 父兄、とくにお母さんの「あんた、誰?」、「ハイ、○○です。どちらさんですか」等の電話対応でその方の会社勤務等の組織経験の有無が窺われる。また、勤続年数の長い女子社員には母親が公務員や教職等組織に正社員として就業している例が多い。
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「学校種別定着・退社率」

2006年10月09日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 創業29年間に当社が沖縄から採用した200名の学校種別内訳は上記の通りです。大学・短大~県立芸大以外の6大学。専門学校~11校。高校~11校(商・工9校。普通校2校)。
 本土出身者の累計採用数300余名に対し現員は160名で定着率50%強。対して沖縄出身者累計採用200名に対し現員40名で定着率20%で本土出身の半分以下。”性懲りも無く”と言った意味はこれです。

 ただし、これには以下のような特殊事情があります。つまり当社にはプログラミング等のソフト開発以外の大型コンピュータ室を交代徹夜勤務で保守監視する運用業務部隊があり、県出身高卒要員の大半はこの業務用に採用しますが、業務性格上定着性が他に比べ低くなります。一概に定着性比較を論じられない事情がここにもあります。
 もっともこの部隊からも資格取得等のステップを得て開発メンバーや管理者に昇進する社員もいます。
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「比較分析の制約条件」

2006年10月08日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 先に当社は、創業以来29年間に沖縄からの新卒採用者は総人数が200名を超えることをお伝えした。しかし、現在の在籍数は40名。従って160名以上のOBがいることになります。辞めた理由とその後この元社員はどうなったか?雇用主としては決して自慢できる話ではないのですが、その分析からは様々な傾向が読み取られます。
 ただし、厳密を期すためには沖縄県以外の、それも都下自宅通勤以外の北海道や東北等の他府県出身、それも同数・同年齢等の前提条件下での比較が必要で、可能な限りそれを試みますが母集団の不足から完全な比較は難しいと思います。
 また、当社のような労働・就業の流動性が極めて高い創業ITベンチャー業界という特殊な事例で沖縄出身者の就業動向や形態一般を語る限界と危険性。さらにマネジメントや処遇の拙さに大きな不満をもって去っていった社員も多い筈です。  こうした限界と危惧に応えるのは、この後続くレポートが今後本土就職を目指す沖縄の若い人達や読者に何か有効なヒントや指標が見えるかどうかに掛かっていると思っています。

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朝吼夕嘆

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