”朝吼夕嘆・晴走雨読”

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継承されない“イチャレバ、チョウディー”

2006年11月21日 | 著書:「おきなわ就活塾」(新宿書房)
 わずか10年間とはいえ、県高校生に接してその変化には驚かされる。
まず最近は、都会に対する戸惑いや好奇心はあっても本土に対するコンプレックスは感じられないこと。言うまでも無くこれは首都圏におけるスポーツ、芸能界での県出身の活躍やインターネットやメディアによる情報の至近性や同時性、本土出身者の県内移住やIターンによる同調性もあるだろう。その証拠か最近の高校生には本土在住中高年者に残るいわゆる沖縄訛りがあまり感じられない。
 むしろ私達県内出身の世代がもつ本土へのこだわりを無意識に移植しているのではと反省させられる時がある。
復帰前上京した私の話を聞いていた高校生が、怪訝な顔で“社長さん達、ずいぶん苦労したんですね”と言われたことがある。
 それだけ県内高校生の意識も急速に“本土並化”している証左かもしれません。反面、次の事実に接してショックを受けたことがあります。つまり沖縄の良さといわれる“イチャレバ、チョウディー”の意味を問うたところ、その時の実習生5名全員“それ何ですか”と誰一人として答えられない。“チムグクル“等のこれらの”沖縄美称“は他府県者が言うほど県内では若い世代に継承されていないことを思い知らされた瞬間でした。

 逆に「なんであんな良い所からこんな排ガス、騒音の東京に就職したいの?」と本土出身の先輩社員から問われ、戸惑う実習生もあった。“団塊の社員のセカンドライフの地・沖縄”と云わずとも、沖縄のもつ自然、人情のアメニティとホスピタリティーに魅せられ移住する人々は多い。現に当社の沖縄事業所にも応募、移住して来た本土出身SEが何人かいる。まして、最近は仲間由紀恵、国中涼子、山田優らタレントや宮里藍、諸見里しのぶ達女性ゴルファー、多くのインデーズ歌手を生んだ楽園・沖縄から“何で”という声が出てもおかしくはない。急テンポで変化する時代を感ずる瞬間です。



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2 コメント

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沖縄方言の美しさ (棚原千晴)
2006-11-21 18:51:40
初めてコメントさせていただきます。
実は私も、高校生の時は沖縄の方言や、沖縄の美徳には全然関心がありませんでした。
それは現・高校生である妹もそうです。
しかし、一度東京に出てみて、周りの本土出身者の方々に「こんな方言聞いたことあるけど、どういう意味?」と問われ、答えられない自分がとても恥ずかしくなりました。
それに最近では、沖縄の方言の一部が汚い言葉として多く使われています。
「東京」という大都会に憧れすぎて、邦の言葉が持つ温かさを忘れてはいけないな、と思い知らされました。
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分析と評価、認識 (大城裕行)
2006-11-25 11:33:57
この状況をどう分析するか。教育と学ぶ(学び)は、構造変化、環境変化が戦後急速に生じたことによるものです。読み書きそろばんは寺子屋・学校、習慣伝統風俗の智恵は家族親類地域という長年の分担が、わが国、もちろん沖縄において崩壊、消滅に向かっていることによるものです。特に、後者はじいちゃん、ばあちゃんなど地域の果たしてきたものがの急速に崩れ、テレビ、携帯、ゲームに取って代われ、その伝承は失われつつあります。子供らの得る手段の変化は我々の時代とは様変わりであることを認識しなければなりません。テレビの普及初期、かの高名な大宅壮一が1億総白痴化と評したが、伝承する力が衰え、24時間という限られた時間の制約の中で、テレビ、携帯、ゲームに時間をとられれば、このような状況は当たり前といえば当たり前のことでしょう。学校教育で果たして補われるのでしょうか。無理でしょう。イチャリバチョウデーは知らなくても、一期一会は、中学、高校入試に出るので知っているでしょう。伝承のいい面と悪い面とを認識し、長年の智恵を再構築ことが大事です。
限られた時間の中でいかがスルか。映像バァチャルの世界にたっぷり漬かっている若者の再生は、ユメは期待できるのでしょうか。
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