センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

生体リズムは乱れていませんか?

2012-11-01 00:00:40 | 健康
生物としてのプログラムに沿った生活を
昼間イキイキと活動し、夜は十分に眠って疲れを残さない――これが健康で快適な生活を送る生体リズム【監修】大塚 邦明先生
東京女子医科大学東医療センター内科教授、25時間の体内時計を24時間に毎日調整

私たちの体には、意識しなくてもきまった周期で体の働きを変動させる「生体リズム」が備わっています。たとえば夜暗くなると眠くなり、朝になると目が覚める24時間周期の睡眠・覚醒のリズム、レム睡眠とノンレム睡眠を約90分周期でくり返す睡眠のリズム、ほぼ1カ月周期の月経のリズムなど、いろいろな周期 パターンがあります。なかでも、健康維持にとくに重要なのが24時間の生体リズム。この生体リズムにしたがっておこる変化には、睡眠・覚醒のリズム以外に も次のようなものがあります。
体温:早朝の睡眠中最も低く、少しずつ上昇し、夕方最も高くなる
血圧:朝上昇して日中に高くなり、夜から夜中にかけて低くなる
性ホルモンや成長ホルモンの分泌:夜の睡眠中に高まる
自律神経の働き:日中は交感神経(心身を活動的にする)の、夜間は副交感神経(心身をリラックスさせる)の働きが高まる
生体リズムを刻んでいるのは脳の視床下部にある「体内時計」です。地球の自転による1日(24時間周期)に合わせて体の働きを調整していますが、実はこの体内時計、1日約25時間になっています。
しかし、それでは地球の1日と時間がずれてしまいますので、毎日25時間を24時間のリズムに合わせて微調整しているのです。わざわざ毎日微調整するのは、そのほうが遺伝子変異などの影響があっても、生体リズムを保つことができるからではないかと考えられています。

「現代人は生体リズムが崩れがち」
ヒトの生体リズムは、昼間活動する生物としてプログラムされていますが、現代では深夜まで働く人、昼夜不規則に活動する人など、生活時間が変則的な人が増えています。しかし生体リズムを無視するような生活が続くと、生体リズムが乱れ、下記のようにさまざまな不調がおこってきます。
睡眠のリズムが大きく乱れる「概日(がいじつ)リズム睡眠障害」
睡眠時間帯が通常よりも遅い時間帯にずれて固定化したり、寝る時間が毎日1~2時間ずつ遅くなっていくなど、必要な時刻に入眠・起床することができなくなり、通勤、通学など社会生活に支障が出る。
肥満や生活習慣病を招きやすい
生体リズムの乱れを放置すると肥満になりやすく、高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を発症しやすいといわれる
その他さまざまな不調
生体リズムが乱れると、自律神経やホルモン分泌が乱れ、頭痛、食欲不振、疲労感、集中力の低下、月経不順、下痢・便秘、免疫力の低下などの不調があらわれる 生体リズム調整テクニック
生体リズムの乱れを自覚したら、できるだけ規則正しい生活を送り、よい睡眠がとれるよう生活を変えてみましょう。次のような調整テクニックが効果的です。
●朝起きたらカーテンを開けて光を入れる
体内時計のリセットにもっとも効果的なのが朝の光で、30分くらい浴びるとずれが修正される。光の刺激は目から入って体内時計に作用するので、全身に浴びなくても、ときどき光を見るくらいでOK。光の刺激を受けて十数時間後に、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌が始まり「暗くなれば眠くなる」という睡眠リズムが整ってくる
●起床時刻は毎朝一定に
生体リズムを保つには起床時刻を一定にすることが大切。前夜寝る時間が遅くなっても、一定の時間に起きるようにする
●朝食はきまった時間に食べる
3食とも大事だが、とくに朝食は覚醒と活動の開始を脳に伝える大切な要素。毎日同じ時間にとることで、消化液や消化酵素が定時に準備を始め体内時計が整ってくる
●通勤・通学・散歩で生活にリズムをつける
体内時計をきちんと回すために、毎日の通勤・通学や、きまった時間にする散歩なども効果がある
●昼夜の環境にメリハリをつける
昼は部屋を明るくして適度に騒音があるような環境にし、夜は照明を落として静かにすごすなど、環境にメリハリを。寝室には外の光を遮断できる厚手のカーテンがおすすめ。日中活動的にすごすことは、夜の睡眠の質を高める
また、ときどき時計を見て、時間を確認することも体内時計の微調整に役立ちます。 (「すこやかファミリー」法研より)
【監修】大塚 邦明先生
東京女子医科大学東医療センター内科教授
1948年愛媛県生まれ。1972年九州大学医学部卒業。九州大学温泉治療学研究所助手、高知医科大学老年病学教室助手、東京女子医科大学附属第二病院内 科助教授などを経て、1998年より現職。医学博士。日本循環器学会認定循環器専門医。専門は時間医学、老年医学。日本自律神経学会常任理事(2006年 会長)。日本時間生物学会理事(2000年会長)。著書に『病気にならないための時間医学〈生体時計の神秘〉を科学する』(ミシマ社)など多数。



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