センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

別腹を科学する!

2018-03-27 00:00:30 | 感覚
この別腹、「感覚特異性満腹感」と呼ばれ、ちゃんとした科学的な根拠があります。
コース料理やバイキングをお腹いっぱい食べた後は、「お腹が苦しい!」「デザートはもう食べられない……」と満腹感を感じるもの。しかしそんな満腹状態でも、「甘いものは別腹!」と食後のケーキやお菓子が進んでしまって困っている人は少なくないようです。
しかし、 人の身体に胃は一つです。これが物理的に満腹感を感じるほどいっぱいになれば、理論上はそれ以上食べられないはずです。お腹いっぱいなのに、甘いものならまだまだ食べられてしまう……。これはどういうことなのでしょうか?
別腹は感情次第!? 感覚特異性満腹感とは!
別腹は「エモーショナルイーティング」とか「感覚特異性満腹感」とも呼ばれることもあります。感情で食べる……、実は医学的にも大まかな部分が解明されています。

※別腹の仕組みは大きく3つ知られています。
〇脳が快楽を得られることを学んでいて「食べろ」と指令を出す
〇味が変わるので食べられる 
〇胃のぜん動運動によって胃の内容物が小腸へ送り出される
以下で、それぞれのメカニズムを詳しく説明します。
別腹のメカニズム1:脳が「食べろ!」と指令を出す 
脳は「不快を避けて快楽を得る」ように働きます。不快を避けるのは、主に命を守るため。危険を避けなければ、命がいくらあっても足りません。危険を避けるといってもさまざまなものがありますが、精神的に「イヤだな」と感じるのも、過去にイヤな思いをしたものを覚えていて、同じことを繰り返さないために脳が不快なものを避けようとしていることが原因で起こります。
同じように、脳は不快だけではなく「快楽」も記憶しています。嬉しかったことや楽しかったこと、さらに美味しかったものまで、脳はきちんと覚えているのです。そのため、「美味しい」と記憶された食べ物が目の前にあれば、「これは美味しいぞ! 食べなさい!」と脳が指令を出すのです。
別腹のメカニズム2:味が変われば食べられる
もう一つ、脳の仕組みとして「同じ味ばかりだと飽きて食べられなくなる」というものがあります。基本味として、塩味、酸味、うま味、苦味、甘味の五つが知られています。一般的に、食事は塩味、酸味、うま味で構成されていることが多く、甘味が不足しているのです。

中枢は同じ味に対して満腹情報を出すため、塩味、酸味、うま味には満腹情報が出されていても、甘味はまだ満腹情報が出ていないことになります。つまり、デザート類は甘味の要素が強いので、別腹として食べられてしまうというのです。
別腹のメカニズム3:胃のぜん動運動で内容物が小腸へ
満腹状態で目の前に好きなものが出されると、胃が消化活動の一環であるぜん動運動を始め、食べ物を腸へ送り出します。すると、胃の上部に少しスペースができて「食べられる」とサインが出ます。このスペースは、「オレキシン」というホルモンによって作り出されます。
そして、胃のぜん動運動は食後2~3時間かけて行われますが、「好物」を見たという刺激で摂食中枢が刺激されて胃袋が活発に働き、腸に食べ物を送り込み、胃袋にスペースを作ります。これが「別腹の正体」です。この現象は、エックス線によるレントゲン写真でも確認されています。

女性の人たちに多いこの「別腹」、食べ放題などで食事をして「満腹」のはずなのに、スイーツを見た瞬間に「脳内に(オレキシン)という脳内物質が分泌され、そのホルモンによって、満腹のはずの胃袋が活発に働き、腸に食べ物を送り込みます。そのことにより胃袋に僅かながらスペースが出来ます。そのスペースを埋めるように(食欲が沸く)、これが(別腹)正体なのです」。
但し、これら別腹だから美味しい、幸せとだと食べ過ぎると肥満体になるので注意が必要ということを私から提言致します。
五感プロデュース研究所、荒木行彦


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