どら平太(2000年 映画)

2018-03-16 00:00:23 | 映画・演劇・Video
山本周五郎の「町奉行日記」を元に、「四騎の会」の4人の大監督が共同でシナリオを書いたもののすぐに映画化されなかったのが本映画である。4人の監督とは、市川崑、黒澤明、木下恵介、小林正樹。4人で書くとはどういうことなのだろうか。2時間の尺の作品なので、一人30分ずつ区切ったのだろうか。登場人物に早々に腹を切らしたりしたら、後の監督は頭を抱えてしまう。

ということで、この4人の中で、3人分の香典を払ったのが、意外にも市川崑であった。そして、当然ながら監督を行ったのは彼になった。

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主役の『どら平太』を演じるのは役所広司。主要キャストとしては浅野ゆう子、宇崎竜童、片岡鶴太郎、菅原文太と大物ばかりだ。江戸時代、ある小藩は財源不足を補うために、町はずれに無法地帯を作り、非合法の商いに目をつむり、上りを掠めていた。酒と女とギャンブルとご禁制品の免税取引。現代風に言うと「統合型リゾート、カジノ付」ということ。

そこに現れたのが望月小平太という町奉行で、様々な観点からアプローチして、この不潔な地区の掃除を始めるのだが、その途中でこの地区と藩の長老たちの癒着があきらかになるのだが、カネをばら撒くおとり捜査とか、証拠品の偽造とかありえない捜査手法が登場する。

ということで、筋は面白いのだが、剣の達人(いや剣術映画の達人)である役所広司は刀を振ると無敵なのだが、残念ながら刀の裏側で叩くミネウチで敵を気絶させるだけだ。それでは敵の数は減らないし、かえって恨みを買いそうだが、それが市川崑スタイルなのだろうか。黒澤明だったら、刀を振るごとに血しぶきがあがり、撮影所は血の海になってしまうだろう。

浅野ゆう子の役は役所広司の愛人なのだが、シナリオ的に愛人が突如現れても的外れ的な感じもある。先に大物俳優(女優)の出演が決まっていたものの、何らかの事情で役がなくなったのではないだろうか。あわてて書き足したとか・・


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