偵察気球を強く非難できない国

2023-02-06 00:00:17 | 市民A
米国上空を5日間にわたり浮遊した中国の偵察気球が大西洋上で撃墜され、米軍により、破片の収集が行われている。

世界的にヘリウムが不足していて、医療用機器の運用にも支障が出そうだという時に、もったいない限りだ。ヘリウムを中国が買い集めていたのも逼迫している要因なのだろうか。

水素ではないようなので、風船に小さな穴を開ければ爆発せず徐々に降下してきて、いわゆる「生け捕り」ができたはずだが、高度19キロではそれに対応した武器がなかったのだろう。

気球には太陽光パネルと小型のプロペラが装備されているようだが、一つの疑問はそもそも成層圏にいる気球はいずれ回収あるいは破壊されるはずだったのだろうか。あるいは既に地球の周りに数十個ばらまかれているということなのだろうか。たまたま目標に近いところにある気球の針路を微調整して使うとか。

普通に考えれば米国国務長官の訪中に合わせて、気球が飛んでくるというのは、異常事態で、考えられるのは「気球の行き先をコントロールできない」か「人民解放軍を政権中枢がコントロールできていない」ということかな。


ところで、第二次世界大戦のことを学校ではあまり教えないのだろうが、少し勉強した人なら知っているように大戦の後半になって日本が行ったのが「風船爆弾」。米国を直接攻撃したのが「真珠湾攻撃」と「風船爆弾」ということ。


画像は明治大学生田キャンパス内にある平和教育登戸研究所資料室内にある展示品で1/10サイズのもの。


直径10mの風船(和紙をこんにゃく糊で何層にも貼り合わせたもの)に爆弾とバラスト用の砂を積み、総重量200キロで福島、茨城、千葉の海岸から飛ばしていた。両国国技館などで製造していた。生物兵器として細菌を撒く準備も終わっていたが、最終的にはとりやめになった。

約9000基を飛ばし、1000基ほどが米本土に到達して、山火事を起していた。1945年5月にはオレゴン州でピクニック中の女性教師1名と生徒5名が、不発弾を触り爆死している。米国政府は国民の戦意が下がることをおそれ、風船爆弾のことを国民に隠していたため、犠牲者が出た。

一方、日本では、その10万倍の人数が空襲で亡くなっているのだが、今、積極的に気球の話を政府がすることによって、いまさら米国民が風船爆弾を思い出したらまずいということなのだろう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿