ロード・オブ・ウォー ニコラス・ケイジ主演

2005-12-11 21:44:43 | 映画・演劇・Video
36032bb5.jpg12月17日からロードショーが始まる「ロード・オブ・ウォー」を一足先に試写会で観る。千代田区にある九段会館。主演はニコラス・ケイジ、監督はアンドリュー・ニコル。もちろん、ここにネタをどんどん書いていくのはマナー違反なので、少しトーンダウンする。

まず、この映画、「武器商人」の話。別に、工作船の話を書いたことと関係はない(はず)。ただし、どうも最近、自分のブログの周りでいくつかの偶然的関連事項が発生していてちょっと気持ちが悪い。(そのうち書くがドイツの菓子職人の件もある)

特に、新品の武器は政府間取引に近いところで行われるのだが、ソ連崩壊後に流出した武器などの中古品は武器商人が行っている。もちろん、多くの国はこのような取引を表立ったは禁止しているのだが、知ってか知らないでか、法律には抜け道がある。そういう色々な知識を駆使して武器商人たちは、世界中の暴君のトモダチになっていくわけだ。名指しで非難されていたのは「リベリア」。そういえば、かつては便宜置籍船(flag of convenient)で有名だったが、最近はパナマ船籍ばかりが有名だ。映画のとおりだったら大変な国になっている。

そしてニコラス・ケイジの役は、この武器商人である。これを捕まえようとするのはインターポールのヴァレンタイン刑事である。配役が逆になってニコラス・ケイジがインターポール側になると、ニコラス・ケイジ刑事ということになってしまう。いや、やはりヴァレンタイン刑事でいい。

そして、この両者の戦いの結末は?・・・それは、映画館で正規料金を払った人だけが知ることができるわけだ。

一方、この武器商人、ユーリー・オルロフの年間取引額は60億ドルだそうだ。一方年収はと言えば9800万ドルと書いてある。たった1.6%の利益というのは、何か少なすぎるような気もする。もっとも税務署に申告することはないだろうから、あまり真面目に計算したわけでもないだろう。ただし、リスクの割りに儲からないような感じだ。愛読者にもお勧めできない。

ただ、映画の中で、インターポール側がオルロフの自宅から出た家庭ごみを調べるシーンがある。シュレッダーゴミをかき集め、つなぎ合わせて解読するのだが、これがいわゆる縦切りのヌードルタイプのシュレッダーだったので、航空ルートがばれてしまうのだが、これから武器商人を開業しようという愛読者の方は、タテヨコみじん切りになるタイプを購入されなければならないだろう。何しろ、紙資源の多くは、現代の謀略大国「C国」へ輸出されているからだ。といいながら、私のみじん切りシュレッダーは「中国製」なのだが、まあ大丈夫だろう。


ところで、この試写会の冒頭に、武器取引規制を目指す「コントロール・アームズ」キャンペーンの紹介があった。アムネスティの他、4つのNGOが協力している。世界に6億丁以上が散らばった銃により、1日1440人がなくなっているそうだ。一つは犯罪。もう一つは戦闘だ。銃を誰が持っているかという統計を見ると、59%の3億8千万丁は民間人が持っていて、次に正規軍が38%の2億4000万丁。警察は僅か3%の1800万丁、反政府勢力は100万丁ということだ。

ただし、私見ではあるが、大規模な戦闘があると武器は消耗するが、戦闘もしないで武器を作り続ければ、中古市場は価格暴落となり、さらに銃は安くなり拡散するだろうと思うのだ。詳しくはhttp://www.ControlArms.jpで・・

しかし、実はこの「銃規制キャンペーン」に反対する気持ちはまったくないが、この試写会の行われている九段会館というのは、少し似合わない場所なのである。第二次大戦前からそのままの姿のこの建物、当時は「軍人会館」だったのだ。退役軍人たちのサロン。そして、この場所はある有名な歴史的事件に登場する。それは226事件である。

首相官邸を襲撃したあと、反乱軍は溜池方面への細い下り坂を駆け下り、そのあとなぜか皇居の入口とは逆の左に向かい、現在のドコモの入っている山王パークタワーの場所にあった建物(戦後しばらく米軍ホテルだった)に篭城する。位置的には、皇居をはさみ、ちょうど180度反対側にあったのが、この軍人会館だったわけだ。そのため、反乱軍に対する対策本部が設置されたわけだ。もし、反乱軍が右側に向かって大手町あたりに篭城したら、対策本部は赤坂見附のあたりになったのだろう。この辺の知識は、愛宕山にあるNHKの放送博物館で仕込んだ。NHKにはだいぶつぎ込んでいるので、骨までしゃぶらないといけないのだ。


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