月曜日のユカ (1964年 映画)

2018-10-22 00:00:42 | 映画・演劇・Video
時は第二回東京五輪の開催年の1964年(第一回は1940年に開催予定だったが、都合により中止になった)の春。横浜を舞台としてフランス映画(ヌーベルバーグ)のような新鮮な映画が公開された。監督は中平康。原作はミッキー安川こと安川実。

主演の加賀まりこ、助演の中尾彬ともに、この映画からスターになっていった。中尾彬は今ではまったく当時の面影はないのだが、加賀まりこは80%は同一人物であると確認できる。

主演のユカ(加賀まりこ)は、横浜の海運代理店の初老の社長をパトロンとしながら、同世代でブラブラしている修(中尾彬)とも関係を続けている。50年前の海運代理店社長というのは愛人を抱え、仕事は高級ホテルで顧客とメシを食うことだったようだ。私も同業者だったが、常に時間に追われ、駅のホームのベンチでコンビニおにぎりということも度々あった。もっとも、そういう愛人文化は東京五輪の頃から急激に消滅していったのだろうか。

で、なんとなくダラダラと二股生活をしていたユカもついに、優柔不断の社長と別れて修と結婚する気になったのだが、とりあえずの結婚資金を稼ぐために、社長の命により日米航路の米国人船長と一戦交えて対価を得ることにするのだが、勘違いした修が船長を襲撃しようと係留綱をつたって船に向かう途中、綱にからまり死んでしまうわけだ(実際には綱の太さは10センチ位あるので、からまったりはしない。強風やうねりで綱が切れた時にはじき飛ばされたり首にからまったりすることはあるが、横浜港では起こらない)

その後、船長とのお仕事が無事に終わり、下船すると、岸壁で待っていた社長とユカは、なぜかダンスを踊るのだが、社長の方は踊り続けて疲れ果て、足を滑らしたのか、突き落とされたのかはわからないが、本人的には悲しい結末になってしまうわけだ。

なお、何種類かの劇場用のポスターの画像の中の一枚には、

 可愛くて、いい味で、細く、しなやかな音をたてる 噂の女体・・・・
 昼でも 夜でも 男の天国を 作る女 ユカ!!

と、煽情的なことばが並んでいるが、それほどではないわけだ。

ちなみに、ロケ地は、横浜市(市街、元町、ホテル・ニューグランドロビー、中村町の橋)となっているのだが、日本とは思えない奇妙な寺院が登場するのだが、どこなのだろう。横浜のどこかに現存するなら、行ってみたいと思いながらも、手掛かりがつかめない。(*本牧の八聖堂:現存)


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2 コメント

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Unknown (名無し)
2021-10-05 02:32:27
寺院みたいな建物は、戦前に建立された八聖殿です。現在も本牧に資料館として残ってますよ。それとロビーはシルクホテルではなくグランドホテル本館では?
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Unknown (おおた葉一郎)
2021-10-05 14:53:42
名無しさま、
情報ありがとうございます。八聖堂、現存しているようですね。そのうちレポートしてみます。ホテルロビーですが、ニュー・グランドのようですね。改装前に行ったことがあります。シルクホテルはシルクセンターの上階にかつてあって、ロビーフロアは5階(現代表現では6階)にあったようなので、イメージが合いませんね。本文微修正しておきます。
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