120%クール

2016-11-30 00:00:08 | 書評
人気作家山田詠美氏が20年前に書いた短編集。9編からなる。力作というべきが、第一編の「唇から蝶」。唇が青虫の女性と結婚した男性の視線からみた男女関係、というべきか、あまりにも唇が本物の青虫という設定からくる妖気小説なのか。その他の多くは、風変わりなカップルを描く作が多いのだが、「ガリレオの餌」という作では、初老の男性作家が主人公になっている。

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ハードボイルド作家を演じていながら実生活は別で、締め切りに追われるという設定で、男女の差はあるが、実の作家が締め切りに追われながら、短編を書きまくった結果がこの短編集なのだろうか、と素直に思ってしまう。

たぶん、話はうまいのだが、長編でないとパワフルな作風とあわないのではないかと思わないでもない。


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