夜明けの街で(2011年 映画)

2017-02-01 00:00:00 | 映画・演劇・Video
東野圭吾の原作は読んでいないので、どういう映画なのかよくわからないまま観始める。どうも不倫映画のようだ。妻子ある中年男性(岸谷五朗)と同僚の女性(深田恭子)が徐々に近づいていき、周囲にばれないように主に横浜のホテルで関係を続ける。

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全2時間強の映画のうち最初の約1時間は不倫が徐々に大胆に発展していくわけで、もともと原作を知らない気軽さから、「これは、どこかで周囲に露呈して、次のステージに移行するのだろう」と予感を持たせる。もっとも不倫映画と言えば渡辺淳一原作の「失楽園」という大名作があるので、それと比べるとちょっと落ちるかなという気持ちにもなるのだが、突然15年近く前に起こった殺人事件の話が飛び出す。

このあたりで、もしかしたらミステリか?と思うわけだ。いずれにしても過去の殺人事件が登場した以上、その事件を解明しなければ映画は完結しないはずだ。ところが、さらに筋立ては不倫方向に突き進んでいき、観ている方は殺人事件に結論が出るのか不完全な意味不明の謎のまま終わってしまうのではないかと時計を観ながらハラハラ考えるわけだ。

そして最後は男が女の意のままにあやつられていたことがわかり、不倫映画でもミステリでもなくコメディだったことがわかるのだが、この映画が愚作と言われなかったのはひとえに深田恭子が一肌脱いだからに違いないわけだ。

もっとも、岸谷五朗にしても、出演する以上、事前に原作を読み、シナリオを最後まで読んでいるのだろうが、最後に間抜けな男になり下がる結論を知りながら、おくびにも出さず真剣に不倫に突き進む役を演じるところは大いに絶賛しなければならないだろうか。


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