順徳院(藤原真由美著)

2023-03-28 00:00:04 | 市民A
北条家による武家政治に反対し、後鳥羽上皇を中心とした天皇家側への復権を狙った『承久の乱』のあと、関係者の処罰の一環として後鳥羽上皇の息子で主戦派だった順徳上皇(順徳天皇)は佐渡島に島流しになる。

島流しになった時は24歳。まさかいつまでも京都には戻れないはずはないと思い、島民に宮中好みの音楽や和歌を教え、何人かの愛人との間にこどもをもうけたりしているうちに、月日は流れ、あきらめの気持ちになっていく。

そして、名誉回復のチャンスが巡ってくるも、期待外れに終わり、食を絶ち、自ら滅亡の道を選んだとされる。



その間の約20年間の彼の内面の動きを微細につかんだ書籍である。

実際、歴史上の人物を書く場合、あまり内面のことを書きすぎると、本人の気持ちではなく作者の思い込みではないかという空気が漂うのだが、作者に近い人からのまた聞きに寄れば、作者の頭の中に、順徳院が下りてきて自然にストーリーが構成されたということだったそうだ。

頭の中に下りてきた順徳院だが、その後、作者の頭から離れたのだろうか。今も取りついているとしたら・・

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