エリート対エリート。シビリアンコントロールは?

2008-02-29 00:00:18 | 市民A
イージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故の件だが、特に、最近の動静について気になることがある。

まず、直接的原因からだが、あたご側が清徳丸の船影を見失っていたのは確かだろう。お互いに見張り不十分で、衝突寸前に清徳丸のみが相手船を視認し、回避行動(右転)をとったのが裏目に出て、横腹に乗り上げられた。あたご側のクルーの交代時間(4時)をはさんで、引継ぎがうまくいかなかったことが言われている。

が、詳しい人の話では、日本の軍艦は「どかない」と言われているそうなのだ。そして漁船も「どかない」。

漁船がどかないのは、漁船にぶつけると、後で大変面倒になるから相手船が避けるからだが、軍艦が避けないことについて、報道を見ているとよくわかったのだが、船橋には10人もいて、肉眼の見張(右舷と左舷)とレーダー係がいて、さらに操舵士に指示を出す上級士官(航海長とか)がいて、見張と士官の連絡要員の伝達係がいるとなれば、危険船をみつけても、舵が切られるまでには相当の時間が必要になる。

通常の商船だと船橋(ブリッジ)には二人がいて、肉眼やレーダーで見張りながら舵や速度を調整する。もちろん通常は自動操舵である。自動と言うのは、ある方向を特定し、まっすぐ航走させる機能である。見張っている本人が舵をとるから、情報伝達の時間はない。

おそらく、10人とは戦闘時の人員配置なのだろうか。そして、商船ならば、交替時間がきたからといって、さっさとタッチをして自室に戻ったりはしない。危険な状況であれば、危険がなくなるまでは、一緒に引継ぎを行う。今回の事件をみて、「やはり、自衛官は公務員だ」ということがよくわかる。

まだ、報道されていないのが、衝突した後の「あたご」の行動。救助活動は行ったのだろうか。


一方、今回の報道でかなり気になっているのが、マスコミが海上保安庁からの情報に操られていること。なぜか、海保が善玉で海自が悪玉みたいになっている。日頃の恨み晴らさんとばかり海保が張り切っているのだが、すでにかなり問題が起きているのが、イージス艦の情報が諸外国に漏れているということ。海保からの情報リークでかなり状況が公になっている。

しかし、本当にそれでいいのだろうか。イージス艦の運用的な情報は既に諸外国に漏れてしまっている。朝4時は乗員の交代時間である。6時は朝食である、衝突の後、船体が停止するまでの時間も公開されているようだ。

たとえば、近隣の国が日本にミサイルを落とそうと、発射しようというなら、交替時刻(4時・8時・12時…)前後を狙うだろう。また同時に漁船に偽装したゲリラ船を用意し日本海にいるはずのイージス艦に接近し、魚雷を発射するかもしれない。

そういうことがわかるわけだ。


海自側ではイージス艦の乗組員といえば、エリート中のエリートである。一方、海保側は三管といわれる第三管区海上保安部。この三管は本部を横浜に持つが、海保の中でもエリート中のエリートの職場である。海自バッシングの材料を次々と公開している。

そして、この海自と海保だが、どちらも日本の防衛を任されているのだが、まったく異なるパターンになっている。

たとえば、近隣諸国からの直接攻撃を受けるとなると、いくつかのパターンがある。まず自衛隊の役目は、基本はミサイル迎撃だろう。日本が攻撃されると安保条約上では、米国が参戦するのだから、日米連合軍となる。日米連合軍に本格的な陸上あるいは海上戦争を挑もうとするものがいるとは思えないのだから、やはりミサイル攻撃による奇襲だろう。こうなると、自衛隊以外には事実上、手に負えない。

一方、海保は危ない。すぐに発砲する。工作船を撃沈したことは有名だが、一歩間違えば、一発の銃弾が戦争を引き起こす例は世界に多数ある。海保にもシビリアンコントロールは必要と思われる。

それに、民主党も防衛大臣をクビにしようという気持ちはわかるが、むしろ「政権交代したら、この事件は再調査する」と言っておけばいい。隠蔽できないようにだ。防衛省の官僚や幕僚にとっては、大臣の首などまったく気にもしていないだろう。

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