作者がわかる

2024-04-07 00:00:02 | 美術館・博物館・工芸品
作家が誰かわからない版画(エッチング)が一枚あった。銅版画で、71/100 「ある教会」と鉛筆で余白に書かれていて、読みにくいサインもある。100枚刷った中の71枚目。



数年前、画像やサインを元にグーグルレンズで調べたがヒットしなかったが、今回は画像そのもののレンズ検索でヒット。まったく同じ作品が海外の画商から出品されていた。さらに同じではないが似たような作品(教会シリーズにとどまらず)も並んでいた。

渋谷栄一さんという版画家だった。

次に、渋谷氏を検索すると、最初に「渋沢栄一」が登場するのだが、除外すると、古典日本文学の研究者が登場。源氏物語から藤原定家あたりが専門とのこと。もしや同一人物?二刀流の人は世間に大勢いて、誰かのおかげで「二刀流」ということばが、最近、市民権を得ている(通訳とギャンブラーとか)。

源氏物語や百人一首と版画というなら組み合わせは最高のような気がするが、たぶん違うと思う。教会という題材は似合わないだろう。

そして、あれこれやっていると、2011年に札幌市で他界された版画家だったことが解る。享年82歳。パリで多くの技法を学び、また多くのスケッチを行っていたそうだ。


しかし、AIはすごいと思うが、中には絶対に別の作家と思われる作品も混じっているわけで、犯罪捜査で、カメラ画像と「顔が似ている」とイージーに逮捕されたりしないのだろうか心配。