ボルサリーノ（1970年 映画）

当時のフランスで人気を二分していたアラン・ドロンとジャン＝ポール・ベルモンドの共演。二人のファン層は異なると思うので、一作の制作で二倍の収益を狙ったのかもしれない。

アラン・ドロンは数々の役をこなしているが、多かったのが犯罪者と刑事の役といわれる。ちょっとした小者の犯罪から、徐々に大掛かりに発展していく。

ギャングの中で出世していくわけだ。そして、最後には・・

この映画の舞台は第二次大戦前のフランス。マルセイユは二つのギャング団が取り仕切っていて、部分的には小競り合いをしていても、共存関係ができていた。一方、警察は、ギャング同士の戦いは好都合と考えていたため真剣には取り締まらないので、町のあちこちで小事件が起きていた。

そこに、二大俳優が登場（正確にはアラン・ドロンは刑務所から出所して）。

この段階で、『ボルサリーノ』という帽子の名前をタイトルにしている意味が解る。アラン・ドロンがかぶっているわけだ。主役宣言だ。

そして二人は、付かず離れずの関係で、暴れはじめる。使用する武器も、最初はゲンコツとマッチだったのがピストルになり、中古マシンガンになっていく。

最後は、ベルモンドだけが誰かに銃殺され、映画が終る。なぜ、片方が生き残ったのか。

それは、『ボルサリーノ２』のためだったわけだ。

アラン・ドロンは、役の上だけではなく、実生活においても怪しさが満載されているわけで、その危うさが俳優人生を支えている。

今年２月のニュースで、フランスの自宅から72丁の拳銃と3000発の弾薬が見つかって押収されている。映画の撮影が終わると、撮影に使った銃を持ち帰っていたのだろうか。88歳で認知障害に悩んでいるそうだが、銃の発覚がラス前のニュースにならなければいいのだが。

あと出演作、二本は観ておきたいので。