重い手土産

2023-02-24 00:00:23 | あじ
知人から岡山旅行のお土産を頂いた。紙の包装を開くと、手裏剣のような形になった。手裏剣は上から投げるべき武器だが、バックハンドで横向きに投げると滑空していく。3回練習するとうまくいく。



で、包まれている銘菓は、『大手饅頭』。伊部屋製造。

「伊部」は「いんべ」と読む。備前焼の別名も「いんべやき」である。全国に大手まんじゅうというような銘菓はある。城下町にはそれぞれ大手門があるので、その近くの和菓子店が名乗ったのだろう。



岡山の伊部屋もHPを見ると、藩主の池田家に寵愛されたそうだが、創業は1837年(天保8年)と江戸時代の末期。天保8年と言えば日本史の大きな節目の「大塩平八郎の乱」が大坂で起きている。実際に当時の大坂市中では大火が起きていて、維新の初手という人もいる。私もそう思っている。池田藩の所蔵品が公開された時に見たのだが、徳川大坂城の詳細な地図(内部や周辺の水路)が含まれていて、「いざ倒幕!」の時に備えていたことが感じられた。

ということで、殿が饅頭食ってる場合かな、と思うが、頭脳を酷使すると糖分が欠乏するので、饅頭で頭脳を明晰にして策略をめぐらせていたのかもしれない。池田藩は戊辰戦争の時は、江戸ではなく今の神奈川県の川崎市あたりの警備をしていて、農民や庄屋から武器や金品を巻き上げていたというブラック伝承もある。

さて、菓子の話だが、以前、岡山の中小企業の経営をしていた時に、取引先のほとんどが東京都内であったこともあり、手土産をもって上京する機会が多かった。ところがこの手土産だが「重い」のだ。

岡山の三大手土産といえば、

大手饅頭・・伊部屋(岡山市)


吉備団子・・廣榮堂(岡山市)




むらすずめ・・橘香堂(倉敷市)



ということで、どれも重い。

四大手土産となると、藤戸饅頭(倉敷市)が加わるが、これはもっと重たい。