尊敬する人

2023-02-15 00:00:09 | 市民A
朝日新聞土曜版「be」の「サザエさんをさがして」コーナーに1963年3月21日朝刊の掲載画があり、おとうさんが家庭内で尊敬されているという趣旨で、それを切り口とし、昨今の家庭で父親が尊敬されているかどうかというテーマだ。公表されている調査結果をもとに社会学者の分析まで書かれている。85歳の学者に聞く新聞記者も情けない限りだ。



2022年9月にLINEリサーチによる高校生対象のスマホWeb調査(1000人)によると、尊敬する人の、女子の1位は母親、2位歌手・音楽アーティスト、3位ともだち、父親は7位。
男子は、1位ともだち、2位スポーツ選手、3位歌手・音楽アーティスト、母親は6位で父親は7位。

おそらく、スマホWeb調査ということで本音が出たのだろう。口頭や、紙に書く調査だと無難に答えるのが普通なので、むしろ太古の昔から、父親や母親は1位ではなかったのかもしれない。

この結果だが、歌手・音楽アーティストとかスポーツ選手というのは、一般論ではなく特定の成功した人物を尊敬しているということだろう。無名のアーティストや普通のスポーツ選手は単に普通の人間に過ぎないわけだ。

ともだちを尊敬する高校生が非常に多いというのは、まったく意外だ。ともだちは友人でありライバルであるというのが普通で、ともだちを偉人のように考える感覚がどうもわからない。1位とか3位ということはお互いに尊敬しあっているということだろうか。疑問ばかりだ。若年性平和ボケか。

ところで、現在では就職や入学の時の面接で「尊敬する人を聞く」のは思想信条を聞くことになり、行われていないそうだ。問題は聞く行為ではなく、聞いた結果を試験結果に反映させることなのだが、危ない橋は渡らないということだろう。

もはや数十年前になるが大学入試の時に、二次試験で面接があり、必ず質問されるのが「尊敬する人」らしいと情報があり、数日前に高校の担任教師に対応策を電話で聞いたのだが、要領を得ない。そもそも入試に関して担任と折り合っていなかった。その大学は自分の中ではすべり止め用だったのだが、担任は、「受験しようという大学は君の成績では難し過ぎる」という意見だったので、「とにかく内申書だけは書いてくださいよ」と下手に出ていた。とはいえ、面接のある学校を受験する生徒が一人もいないはずもないのに・・と思いながらも、自分で考えるしかないということになる。コロナに感染しても発熱外来にたどりつかず自力回復コースに進んだ先月の私と同じだ。

まず考えたのは、その学校の創設者。有名私学には創立者がいて、構内に複数の銅像や胸像や建学の精神の碑がある。フクちゃんとかウメちゃんとかクマちゃんとか。

ただ、その学校の教職員なら、少なくても私よりもずっと創設者のことを知っているだろうから、ワナにかかるようなものだ。質問一発で敗退するはずだ。そもそも二次試験というのは、一部の馬鹿を振り落とすためのものだ。

ということで、行き着くところが父親。試験官が父親のことを知っているわけないので、父親像については自由創作できるわけだ。結局、二次試験対策に苦労したのに、行かなかった。

実際の両親については特に尊敬したわけでもなく反面教師に近かった。小中学校の頃、父親について尊敬したのは夏休みの工作の宿題を念入りに作ってくれることだった。父親の趣味だった。母親について尊敬したのは夏休みの習字や絵画の宿題を念入りに作ってくれることで、母親の趣味だった。何枚か優秀賞の賞状が残っている(自分は、脚本とか小説とか書いていたが、いつも教師に盗作疑惑をかけられ、憤慨していた)。