起終点駅ターミナル(2015年 映画)

2023-02-13 00:00:37 | 映画・演劇・Video
佐藤浩市主演。彼のパーソナリティに合わせて脚本が書かれたかのようなはまり方だ。

原作は桜木紫乃の短編小説。弁護士鷲田完治(佐藤浩市演)が主人公。三つの時代に分かれる。昭和53年(1978年)、昭和63年(1988年)、そして平成26年(2014年)。映画は2番目の時代昭和63年から始まる。舞台は北海道の旭川。単身赴任の裁判官として働く鷲田完治の前に大学時代に同棲していた恋人結城冴子(尾野真千子)が覚せい剤事件の被告人として現れる。前例通り執行猶予付きの判決を与えた後、二人は緊密な関係に戻っていく(俗な言葉でいうと不倫関係)。

10年前、東京の大学は全共闘運動で燃えていて、彼は法曹の世界を目指し、彼女は運動家の道を選び、突然姿を消していた。

裁判官は、旭川勤務が終わった後、東京高裁への栄転が待っていたが、この地位を捨ててまで妻と別れ。恋人との生活を始めようとするが、彼女の自死により、離婚、さらに離職し釧路で細々と国選弁護士としてこどもの養育費の仕送りを続ける。

そして、彼が弁護した若い女性、椎名敦子(本田翼演)が鷲田の家を訪れ、逃走中の彼女の恋人の男探しを依頼することにより、次の展開に進むわけだ。

どうしようもない人間の性(さが)とか人生は予想もできない偶然の重なりだとか・・

人間はある時間の間だけ生きているだけのものなのだけど、その記憶を自分の大脳の中にため込んでいて、思い出の中にいるはずの人間と再会した時に、容易に現実を記憶と接ぎ合わせてしまうのだよね。