チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星

2022-06-23 00:00:07 | 市民A
BS11チャンネルでディスカバリーチャンネルの再放送を見ていた。「解明・宇宙の秘密」シリーズの第10話が「彗星探査衛星・ロゼッタ」による「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星」の探査。

チュリュモフ・ゲラシメンコという名前は二人の天体学者に由来する。ゲラシメンコさんの方は別の天体の写真を撮影していて、その写真の端の方にあった小さな天体を見つけたチュリュモフ氏が様々な考察を加えて、別の彗星であると断定した。だからほとんどの功績はチュリュモフ氏の方と言える。



この彗星だが二つの小さな天体が寄り添うように合体していた。いかにも二つの物体が合体したような形だ(これらも近接したことでわかった)。仮に球形だとしたら半径1.8キロメートルほどの小さな物体だ。

太陽の周りを6年強で回っているようだが、回り始めたのはそう遠い昔ではないそうだ。そもそも太陽系のずっと外の方にあるカイパーベルト天体で原初宇宙の頃から静かに眠っていたらしい。しかし、おそらく木星の引力に起因する何らかの力の変化により、カイパーベルトから偶然にも太陽の近くまで引き寄せられてしまう。


そして、太陽の近くに行くと、天体内部に溜まっている原始的な物質が太陽熱で地表から宇宙空間に飛ばされてしまう。徐々に小さくなっていた。ということで探査衛星が打ち上げられたのは2004年3月2日。到達したのは2014年。

彗星には水分があったそうだが、地球の水とは異なる物質だった(重水の比率)。またDNAで必要なリンは含まれていなかったそうだ。


ところでチュリモフ博士だがウクライナ人。彗星発見当時はキーウ天文台所長だったようだ。2016年10月14日、ハルキウで亡くなっている。探査衛星ロゼッタがすべての観測ミッションを終え彗星の上に落下していった日(2016年9月3日)の1か月と11日後だった。