スモールビジネス・マーケティング(岩崎邦彦著)

2017-09-21 00:00:46 | 書評
中小企業白書を読んでいると、廃業する企業の半分ぐらいが黒字のまま、店をたたむような状況になっている。つい数年前は、破綻とか貸しはがしというような理由が多かったのだが、この差はなんだろう。というか、アベノミクスが方向違いの政策になっている可能性がある。

企業の生産性が改善し、収益力が回復した時には、経営者が高齢化して後継者を得られないとか、労働力不足で、せっかく業績が回復しても大手から順に採用をするので、小企業や小型の中小企業には人間がいなくなって、新規事業を始めるわけにもいかない。

今から教育無償化して優秀な人材を育てても、なにしろ人間の数が少ない。

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一方で、中小企業の生産額も従業員数も日本全体の50%以上あるという、まさに中小企業大国なのだが、それが原因で、日本の生産性はかなり低い。

おそらく2018年、2019年あたりは大量の中小企業が廃業するだろう。あまり対応する方法も見当たらない。

というのもおそらく、中小企業、特に小企業が期待される規模というのは、かなり少ないのかもしれない。

本著「スモールビジネス・マーケティング(岩崎邦彦著)」は、残れる中小企業の条件をマーケティングの立場で書かれた名著といわれる。

細かくは読んでもらうとして、キモとなる戦略が、「スモールビジネス・マーケティング」で、ターゲット顧客は「小さな店が好きな人」だそうだ。

大きな店が好きな人がいれば小さな店が好きな人もいる、その少数派が小企業の顧客になるということだそうだ。

そして、品揃え、口コミといった双方向的関係性を保つことが重要ということだそうだ。