細川家の絵師たち展

2014-08-10 00:00:42 | 美術館・博物館・工芸品
羽田空港第2ターミナル内にあるディスカバリーミュージアムで公開中の「細川家の絵師たち」展へ。

この空港内の無料美術館だが、なぜかずっと細川家のお宝発表会になっている。細川家のお宝といえば、旧江戸屋敷のあった目白に永青美術館があるのだが、所有美術品の規模は、はるかに美術館の容量を超えていて、半永久的に展示することができないような美術品も多数あると聞いていた(都知事選に何回立候補しても大丈夫なのだろう)。

この空港美術館も、そういった公開サービスの一環なのだろう。

そして、今回の「絵師」だが、基本的には大名と言うもの、絵師をお抱えにするものだったそうだ。当代の画をはじめ、各種行事の際の装飾や、側室一号や二号が量産する女子の嫁ぎ先への嫁入り道具やら、屏風にしても何種類も必要だろうし。まったく費用がかかるわけだが、家の格もある。

大型大名のひしめく九州の熊本にいた名門細川家は代々の美術好きということで、矢野派、肥後加納家と多彩である。まあ、農民の年貢がきつかっただろうとは思うが、美術品好きがいたからこそ、現代人を喜ばせるのだから、まあ批判するのはやめておこう。


展示品は、数多くの名品だが、その中で、屏風が引き立っていた。

byobu


前期展示では、宇治川合戦図屏風、後期展示では、一ノ谷合戦図屏風。いずれも矢野三郎兵衛吉重の作。源平合戦を描いたもので三代当主細川忠利の時代である。細川家は、武家の中では源氏筋ということになっているが、この屏風に影響を与えているのだろうか。よくわからない。

そして、次回の展示会は、この平家物語や源平盛衰記を題材としたものらしい。実は今、仮寓を構える倉敷には、源平合戦の歴史に刻まれる二つの戦場がある。一つは平家の勝、一つは源氏の勝。まだ現地未調査なので、戦場ルポは、そのうち。