細く長い糸

2013-10-22 00:00:17 | 歴史
先日、元皇族竹田家の竹田恒泰氏の著書を読む。父上は、日本オリンピック委員会の竹田恒和氏。先だっての五輪招致で特に著名となったが、元々戦前は皇族の家系である。そして、仮に、現在休眠中の皇位継承順位問題の検討がはじまれば、「もしかしたらもしか」ということになるかもしれないと言われていたわけだ。

それで、そのあたりの理由について調べているうちに、なんとなく知ってはいけない感じの話など見えてきたわけだ(竹田家の話ではない)。

まず、この話題が最も国民の関心を高めた時期は2001年に愛子内親王が誕生してから2006年に悠仁親王の誕生までの間だった。つまり現天皇の長男の次は、誰か。長女か、弟か、そしてその次は?

つまり、皇室典範に従えば、候補者が途絶える可能性すらあったわけだ。(もちろん、次の次の次まで決まっても、その次があるという保証はない。大昔の様に、子作りが最大のご公務ということにはならないから、いずれにしても細い糸のような状態が百年続くのかもしれないし、まったく杞憂になるのかもしれない。実際、皇室には女子ばかり生まれていたわけで、これから男子ばかり生まれる可能性もある。

そこで、でてきたのが女帝論。これには、一般的な女性が天皇になるということを意味する①女性天皇論と男女平等主義の②女系天皇論がある。あくまでも男系の補完としての女性天皇なのか、男系にこだわらない女系天皇容認にするかで分かれる。

そして、女性を除外するというグループでも、あくまでも③男系長子継承(つまり天皇からの血の濃さが近い人を優先)という考え方と、血は少し遠くても天皇家と皇族関係で親しくしてきたという④旧皇族グループから選ぶ、という考え方に分かれる。

まず、④案の旧皇族というのは南北朝時代に遡り、崇光天皇のひ孫にあたる第102代後花園天皇の弟、貞常親王から分かれた伏見宮家にたどりつく。その後この家はいくつかに分かれていき、戦前の旧皇族を形作っていた。もっとも、この皇族の中で、どういう順位を付けるのか、あるいはそれを誰が妥当と判断するのか、不明。

そして、③の、あくまでも血のつながりが濃い順を調べていたのだが、一般人のプライバシーにかかわることが多く、調べた結果にはまったく自信がないのだが、

④の御花園天皇より後代で天皇家より離れた家、あるいは徳大寺家のように元々平安時代からの家筋に新しく天皇(113代東山天皇)の男系子孫が婿入りし、さらにその徳大寺家から住友家に婿養子に入り、その住友家の中で、長男なのに芸術方面に走り家督を弟に譲るも男系子孫を何人か残した人物がいて、要するにY遺伝子かつ長子優先をあくまでも貫くとすると、生まれた時からまったくの民間人を辿っていくということになる。

また、その少し前第107代後陽成天皇の男系子孫は、戦争末期の首相として有名な近衛文麿氏だが、長男文隆氏は、結婚後、陸軍中尉として大陸に渡り、シベリア抑留中に亡くなるのだが、結婚前に、ある芸者との間に男児をなしている。この男児は、その後しばらくは、母親との同居もままならず、実の父親を悟ったのは母親が父親の死亡記事を新聞で読み泣き崩れた時だったと述介している。ただし、皇太子兄弟よりもずっと年上なので本件で表に出ることはないと思われる。

かくして、側室制度を設けることなく天皇の男系長子相続制を続けるということは、今後とも妙な話が続いていくのだろうと想像するわけだ。

個人的には、憲法上は、国民の象徴として天皇制があるのだから、該当者がなくなれば、リアルワールドにいなくてもいいのでないかとも感じるのだが、君が代の歌詞に矛盾するし、不敬罪で捕まりたくないので以上、凍結とする。