必殺仕分け人の腕前は「?」か。

2009-11-30 00:00:19 | 市民A
事業仕分けというのも、客観的に見れば、みのもんたのショー番組みたいなものだが、当事者的に見ると、結構気になる。もちろん、仕事の全部が政府の無駄遣いに支えられている会社もあるだろう。「廃止」とジャッジメントがなされれば、「事業破綻」直結というような場合は、仕分け人は地獄の門番みたいになるのだろう。

幸か不幸か、勤務先の事業のほんの一部の一部が、今回の仕分けの対象になっていた。その事業のおこぼれが年間数百万円回ってくるようなもので、面倒なことに、それを担当している。

ネット中継を見ることにする。実際には画像は小さくよく見えないので、声で軍法会議の議事を追うことにする。予定時間は1時間。仕分け人は12名。

実際には、あまり心配していなかったのは、これらの事業の裏側には、財務省系の落下傘部隊が派遣されていたからだ。論点整理などは財務省が書いたとされるが、どうみても的外れの論点が並んでいる。

さらに、討議される問題というのは、簡単そうであり、難しい問題なのである。つまり、過去に長い間、問題はあるものの解決策なしという日本の構造問題みたいなことなので、いったいどういう議論がなされるのか、ある意味業界人も興味津々ということ。

ところが、どういう勉強不足か、仕分け人の多くは、問題の構造が理解できていないわけだ。単にコスト論としても、いくつかの案があって、それぞれ固定費と変動費の比率が異なるし、さらにそれぞれに上限と下限があって、どういうベストミックスを選ぶかということなのだが、そういう二者択一ではなく、組み合わせ問題になると、その複雑な条件の説明と解答だけで、30分が使われてしまう。

さらに、多くの仕分け人は、その複雑な現状を勝手に誤認して次の質問を始めるので、「事実誤認です」と言われ、何度も事実の説明が繰り返される。実際、議論は10分あったかどうかだし、それもほぼ全部が的外れというか、勘違いが多い。

二人ほど、最後まで何も理解できてないような人もいて、周りの仕分け人からも、「その話は、前の案件の話じゃないの」とか言われて失笑を買う場面すらあった。

それなのに、わかっていない人までちゃっかり最終投票に参加しているのだが、本来、恥を捨てても「棄権」すべきだろう。


結局、この「事業仕分け」というのも、前半戦に対して後半戦はたいして機能しなかったのは、前半戦の二流省庁の役人よりは知能は上だが、後半の一流省庁の役人よりは下である。ということのように感じた。

プラスとマイナスだけの簡単な判断はできるが、条件式がついていたり、掛け算や割り算が入ったり限界コストとか平均コストとか分かってない人が多いのではないだろうか。



こういう事業の分類とか行うためには、ある程度の内部情報がなければ難しいとは思うが、民主党政権になれば、そういうインサイダー的な情報がどんどん入ってくると思っていたのかもしれない。

たぶん、そういう期待は空振りだったのではないだろうか。

政権の持続性に確信が持てないので、タレこみ情報がないのだろう。

実際、かなり額がでてきそうな分野でも深掘りできずに、手つかずになるのだろう。内閣機密費の2ヶ月分でも前払いでいただければ、協力する人もいるだろうけど・・