創業 平成18年って

2007-12-14 00:00:23 | 市民A
aa7fc0e4.jpg自分では絶対選ばないような料理屋に行くことがある。思想的に保守的なわけではないが、食べ物はやや保守的だ(というか、それは普通と思う)。

 ”もつ鍋

で、もつ鍋が嫌いということでもなく、十数年ほど前には、福岡の会社の知人から、よくクール便で送ってもらっていた。結構、"美味い美味い"と食べていたが、当時は都内でもブームになっていた。ところが、突如、もつ鍋は失速する。唯一最大の原因は、「BSE」である。(ついでにこの友人も「失速」というか「失脚」する)

もともと、このもつ鍋に入れるのは牛や豚の白モツである。白モツとは腸のこと。このややコリコリ感のある腸を開いて、短く切ったものである。これに下味を付け、キャベツとニラと唐辛子とニンニクを醤油か味噌ダシで鍋で煮る。比較的、同じような味になりがちだが、そこに僅かな差があるのかないのか?・・

そして、BSE問題で、牛肉離れが進んだ上、さらに具合が悪いのが牛の「危険部位」ということ。プリオンに感染する確率が高い部位として、脊髄、眼、脳、小腸が指定され、その部分は除去&焼却されることになる。さらに、その指定された小腸というのも、正確には回腸遠位部ということになっている。この回腸遠位部というのは小腸の最後の2メートルということになっていて、盲腸との接続部から先2メートルということだそうだ。

aa7fc0e4.jpgしかし、相手は動物である。個体差がある。一律2メートルというのも不安がある。さらに、できあがった白もつを見て、これは盲腸の手前のものなのか、その先のものなのか見分けることは困難である。だいたい普通の人には、豚と牛の差にしてもわからない。

ということで、もつ鍋の東京上陸作戦は、99%まで成功したところで、あっという間に崩れ去ったわけだ。

それで、今回、絶滅していたはずの「もつ鍋」を見つけてきたのには、理由がある。

簡単に言うと「安い」から。宴会というのは、メンバーの中で、もっともおカネのない人の財力に合わせて設定されるものだからだ。

しかたなく、指定のもつ鍋屋に行く。「もつ屋良蔵商店」。西新橋である。どうも「豚専」のようだ。「やきとん」と「もつ鍋」。ハケン風の女性と、よじれたネクタイの安サラリーマンが多い。

で、肝心の味は、「まあ普通」ということ。というか、もつが少ないような。星は出ない。やきとんの方はグッド。星一つ

飲み物ではホッピーがあった。実は先日、赤坂の飲み屋のママから、「ホッピーの発明者を知っている」という情報を聞いて、資料研究していた。飲み方をよく知らないので、ホッピーの瓶と焼酎のロックが別々にテーブルに載せられたので、別々にイッキ飲みしてしまったのだが、この店をチョイスした最も貧乏な幹事から呆れられてしまった。笑われただけで、正しい飲み方を聞くのを忘れてしまったので、次回もまた、笑われるのだろう。そしてホッピーには、昭和23年から始まるホッピー正史と大正末期に微かに研究したものの実現できなかった裏ホッピー史があることが浮かび上がってきているのだが、それはそのうち・・

aa7fc0e4.jpgところで、この店を外から見ると看板に妙な文字が書かれていた。

創業 平成18年」。二年目ということだが、変な話だ。普通、創業80年とか、創業文久三年とか大正10年とか、「創業」というキャッチフレーズは「長い歴史」をイメージさせることで、ユーザーに安心感と伝統の味という錯覚を起こさせる効果がある。本来は二つ星店なのに三つ星になるような話だ。

しかし、「創業平成18年」と書いた真意は、色々考えてもよくわからない。「新しい店で清潔だ」とかアピールしているのかもしれないが、そういう目に見えるものをアピールすると、失敗する。まあ「廃業平成21年」と予言を書くよりはいいのだろうが。


そして、このもつ鍋の最大の効果は、その食後から続く強烈な口臭である。以後12時間にわたり、満員電車に二回乗りながらも、体の周囲には、やや冷たい空気のエアバリアができていたようで、つり革につかまりながらも快適通勤することができたのである。

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