元祖ふぐどんぶり(てっさ丼)

2007-12-28 00:00:47 | あじ
71621f90.jpg千葉市に行ったついでに、「ネット上でブームになり始めた、ある新料理を食べに行きませんか」と同行者に誘われた。あくまでも、同行者が私を誘った(ということにしておく)。場所は、美浜区の磯辺高校の道路をはさんだ向かい側にある「新駿河」という和食処。昼間なので、ビールなし。座敷に上がりこみ、さっそく注文する。

「ふぐどんぶり、二つ!」

そして待つこと、しばし・・

登場したふぐどんぶりは、ごはんとフグが別盛になっている。ごはんは茶飯で錦糸卵と海苔がのっている。フグの方は、てっさというにはやや厚切りの刺身にタレがかけられている。別途、わさび。タレを箸先でテイストするとゴマダレである。どうも、一枚ずつごはんにのせて食べるのが作法らしいが、おおた流は、3/4ほどを一気に乗せてみた。そして中央にわさびをおいてできあがり。

71621f90.jpg食べるときは、はじの方から崩していく。韓国流に、全部混ぜ合わせてから食べたりはしない。スプーンがついてないからだ。ふぐはおそらくしょうさいふぐではないかという歯ごたえがあり、茶飯とごまダレとフグのうまみがWell-Balanceだ。おそらく、マネをする場合は、この三種類の味の組み合わせ方が難しいだろう。そして、価格は、驚きの1050円。明らかに消費税率が上昇した場合の値上げに備えた価格設定になっている。


ところで、関東でも最近はフグの大衆化が進んでいて、気軽にトラフグ料理を楽しめる店が増えてきた。一方、ミシュランにもふぐ料理店がいくつも紹介されている。値段の差ほど満足度の差はないようだから、安くてもそれなりに十分ともいえる。

しかし、このつかの間の幸福も、おそらく数年後に中国大陸のプチ貴族たちが、ふぐの味を覚えたら、それまでかもしれない、と危惧している。何しろ、フグ調理が文化になるには、それなりの期間が必要である。一つは調理師の養成であり、もう一つは、その裏側にある無資格調理師によるフグ中毒。それらを社会がこなしたアカツキには、日本人の口に回る漁獲量は激減しているのではないだろうか。なにしろ、トラフグの二大産地は瀬戸内海と南シナ海といわれている。しょうさいフグのふぐどんぶりがせいぜいの贅沢ということになっているのだろうか。

71621f90.jpgさて、この日本人とフグの関係というのは、実は中国・半島と若干の関係があるという説がある。まず、フグ食を全国的に禁止したのは豊臣秀吉と言われる。半島攻略の国内前線基地だった名護屋は玄海灘に面するふぐの名所。出兵前の兵士が毒にあたってバタバタと斃れたそうだ。そして、その時以来の禁令を解いたのは伊藤博文といわれる。日清戦争の講和条約である下関条約交渉中に禁制のフグを食し、その旨さに、思わず解禁したとされる。

たぶん、秀吉の話も伊藤博文の話も俗説とは思っているが、大人気ないので反証は書かないことにする。



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