スマトラ沖地震で超巨大被害

2004-12-28 14:04:12 | 市民A
「gigantic」という単語が、あちこちで氾濫しています。13,400人(Financial Times)はじめ、国内、国外のニュースを見ていて、かなりの被害と犠牲者がでていることも、わかってきました。また、邦人も、500人以上が連絡がとれなくなっているようです(27日15:30現在)。
弊ブログでも、既に何回か地震についてとりあげているのですが、まだ、ニュース自体が混乱していることもあり、深く掘り進むというよりも、横に広く、現象をとらえてみます。

1.Tsunami被害について
「Tsunami」という単語が日本語に因ることを欧米では解説しています。欧米では、一般的な地震被害の類例ではないのでしょう。確かに岸壁が作られていれば、だいぶ状況は違ったと思います。いきなりビーチにダイレクトに津波がやってきたわけです。波の高さは、入江状になっていると、巨大な高さになるのですが、ビーチでは普通に壁のような大波がきたのでしょう。12メートルとの記事もあります。ということは、奥まった湾のような地形の場合は、さらに波高が高くなった可能性があります。また、津波はストロークが長く(数キロ)、一度、波にさらわれると、はるか沖合いまで運ばれてしまうのが一般的です。それが、生存率を低くする原因です。

また、ソマリアまで津波被害がでているようなのですが、時速500マイル程度との記事があります。マイルがランドマイルなら時速800キロ、シーマイルなら950キロです。想像できる状況としては、実際の波がスマトラからアフリカ東海岸に到達したのではなく、地球の表層をエネルギーが先に伝播し、半球的に海面が動き始めたということだと思います。陸上に実際に上陸した波の速度は100メートル15から20秒程度と言われています。普通の人なら、波を見てから逃げられる距離には限りがあるということです。

2.地震そのものについて
マグニチュードが変わったり、マグニチュードには何種類かあってとか、色々な説明がありますが、エネルギーについての考え方の違いで、結局、何種類かの数字があるわけです。また、エネルギーがゆっくり放出されると、振動という被害は少なくなるため、加速度という考えが必要となりとか、地震の性質をマグニチュードだけで表現するには、限界があるわけです。100年間で4番目の大きさとか40年ぶりの規模とか書かれていますが、早い話、超巨大ということです。

インド洋プレートとビルマ(Burma Plate)プレートの複雑に重なった場所らしいのですが、もっとも警戒すべきは、同じ断層上の余震です。日本でも江戸時代には南海地震と東南海地震が同時、あるいは翌日発生していることが多く、プレートの周辺部では、今後1年間程度は危険が続くと見るべきです。きょうでも、あしたでも再発リスクはあります。

また、やはり、倒壊した建物も多く、犠牲者数には予断をゆるしません。建物の構造が簡単であれば、逆に倒壊による被害は少ないのですが、レンガ文化の住宅では、家族の増加や、所得増加に伴って、横方向ではなく上方向に増築していく例も多く、地震被害を増長します。

3.地震発生の時期
日曜日で、ビーチに出ていた人が多いとの情報があります。一方、犠牲者の多くは外国人との情報もあります。どちらも正しいのでしょう。日本人にとっては、クリスマス休暇が、制度上あまり普及していないことが少しは幸いだったかもしれません。モルジブといえば、少し前は、日本を離れて愛人同伴で行く人が多かったのですが、今は違うのでしょう。不謹慎なのでこの話はやめます。

4.その他
旅行会社には「キャンセルの山」というのも当たり前ですが、HIS社の株価も下落しています。1:1.5で分割された端数株(50株分)に50株を買い足したばかりなのですが。(本当は、わずか50株を買い足すのに、証券マンに対し、小さな顔で電話しなければいけなかったことをブログにしようと思っていたのですが、なさけないので止めます。)SARS流行の際も、小規模旅行会社が淘汰され、残存者効果でHIS社は規模が拡大しています。

投資関係の話で追加すると、REIT(不動産投資信託)に投資されている方は、証券組込みビルごとの耐震性評価を十分に確認した方がいいと思います。個人的には、今回も、発生直前の24日に全額売却しています。どうも、全額売却すると、地震が起きるのではないかと、嫌な一人ジンクスになってしまいました。

5.東京の直下型地震で6万人以上犠牲(今回の地震とは無関係ですが)
1ヶ月ほど前、東京の直下型地震での被害予測マップが公表されていました。私は、東京港区に勤めていて、住居は横浜北部。その間には世田谷の住宅街が大きく広がっているのですが、被害予測マップ上では東急線、小田急線の間の住宅地は焼失地帯として赤ベタに塗りつぶされていました。つまり、その間を歩いて逃げることは困難ということです。困りました。自身の悪運を信じることだけかもしれません。  

情熱大陸(渡辺明六段特集)はイマイチだったが

2004-12-28 14:03:19 | しょうぎ
12月26日(日)23時からのTBS(毎日放送)系「情熱大陸」は現在20歳の渡辺明特集だったが、やや常識的な構成で、「若手がベテランの壁に挑戦」という基本パターンで、かつ現在進行形の森内竜王に挑戦している竜王戦七番勝負とリンクした内容になっていた。また妻子と生活している2LDKのマンションの内部の様子などを紹介しているのだが、彼自体が「普通の青年」なので、そういう表層的番組では、「イマイチ」感が残った。

ちょっと詳しいファンであれば、彼が中学3年卒業直前に、15歳でプロ四段に昇段した時、すぐに大活躍するものと思ったのに、急ブレーキ。3年ほどは「並みの成績」であったことを訝しく思うだろう。そして、何のキッカケで突然、ブレークしたのだろうか?その疑問には番組では一切触れられていなかった。

彼が不振を極めていた17歳当時、同門の松尾君が初タイトル「新人王」を奪取し、また平成の詰将棋の天才、宮田君の四段昇段パーティに行ったのだが、参加した人たちは平気で二人を、「渡辺以上の才能」などと話しているわけだ。本人の渡辺君が会場にいるにもかかわらずだ。ファンとの記念撮影もカヤの外。おそらく、その場で屈辱を感じ、「勝たねばならない」と奮起したのではないかというのが、私の説である。そして、松尾君は現在、大不調。宮田君は24歳にして、胃潰瘍で吐血(江戸時代の少年棋士のようだ)。緊急手術。若くても、人それぞれだ。

ところで竜王戦は読売新聞主催。そこに毎日放送がよくぞ、カメラを持ち込むことができたものだというのが正直な感想。最終局(27日、28日)の1日目は、過去の定跡をたどるように終了。きょう28日が運命の二日目だ。勝負は指運という気もするし、過去の森内-渡辺戦と同様に、形勢は相互に揺れ動くのかも知れない。自分に形勢が傾いた時に、最後に震えがでるのかどうか、それが知りたいところだ。
古くは1992年の名人戦第七局で時の名人中原誠に挑戦した九段高橋道雄は、名人の駒を完全に押さえ込み、必勝に見えたものの、中原側の端の香車がわずか一つ動いただけで、包囲網の破綻の可能性に気付き、構想から大きくはずれていき自滅した。
昨年の王座戦最終局の羽生-渡辺戦のように勝った羽生が最後の一手を震えながら盤面に打ちつけたような熾烈な光景があらわれるのか?

真の驚愕は28日の夕刻以降になるのだろうか。(渡辺明日記にも注目!)