米国大統領選、登場人物評価は

2004-09-22 17:03:55 | 市民A
b1108842.jpg11月2日の米国大統領選挙に向け、世論調査の結果は現在ややブッシュ現職がリードしているようだ。しかし、まだ決定的に差を開いたという状態ではなく、開いては縮まりという状態のように思える。前回のブッシュ-ゴアの時の醜態の時もそうだが、州ごとに全選挙人を獲得するという制度もあり、まだ不明だ。

しかし、どうしても気になるのが、両陣営の選挙戦が、自身の主張を訴えるというよりも、相手方の政策や過去の経歴詐称とか、性格が暗いとか副大統領を批判したりと、後ろ向きの姿勢のところである。
いわゆるネガティブキャンペーンである。情報誌などのほぼ一致する分析では、もともと共和党と民主党は基礎票として45%程度持っていて浮動票は10%位だそうだ。そのため、選挙戦略としては、
A.相手陣営の政治的あら探しをして浮動票を引き込む。
B.相手陣営の支持者が選挙に行く気がなくなるような人格攻撃をする。
という傾向になるそうだ。

はたから見ると、情けなくなるような話だが、そんなものなのだろう。

さいわいなのは、日本に対する政策には多少の保護主義的政策的差はあっても、大きな相違がないことかもしれない。だいたい二人の公約にしても、実際に守れるかどうかあいまいなのは何れの陣営も同じ。ケリーのイラク撤兵方針やブッシュの減税方針も副作用は大きい。

ところで、政治家や経済人を分類するのに便利な四分割法というのがある。
素質について、頭脳の明晰さと決断力の大小(積極性)で四つのカテゴリーに分ける。
第一分類は、明晰かつ行動力のあるタイプである。一言で言うと「果敢」ということばが妥当。
第二分類は、明晰だが行動しないタイプである。「慎重」と言うべき。
第三分類は、知的レベルが愚鈍だが積極的タイプ。「無謀」ということばが妥当。
第四分類は、愚鈍でかつ消極的なタイプ。「臆病」が妥当。
そして、今回の大統領候補と副大統領候補を四分類に分けると、共和党のブッシュは第三分類「無謀」、チェイニ-は「慎重」。
一方民主党側は、ケリーが「臆病」、エドワーズが「果敢」というようにたすきがけで補完的になっていることが感じられる。もっともブッシュ以外の3人は単に評判とか見かけによる評価で、実際のところはよくわからない。

前大統領のクリントンはタイプとしては「果敢」、副大統領のゴアは「慎重」というカテゴリーだったわけだから、強かったのだろう。もっともクリントンが明晰だったのは、上半身だけだったのは後で判明したのだが。
話を政策面に戻した場合、ブッシュ、ケリーの差はどれ位あるのだろうか。ケリーは保守主義に走り、自動車産業保護とか米国だけの都合で内政を展開するのだろうか、短期的にはあるかもしれないがそんな政策はすぐに行詰るのは必至だ。米国といえども経済規模は世界の30%、孤立主義ではやっていけない。

経済的問題では中国問題があるが、民主党は日本より中国を重視していると言われるが、中国の独走や野心の前には、待ったをかけざるを得ないだろう。

問題はイラク政策であるが、米国の肩代わりに応じてくれる国があるはずもなく、またイラク国内の安定が程遠い中では、いずれが大統領になっても簡単な足抜けは困難だろう。

日本にとって今もっとも重要なのは、国連安全保障理事会の常任理事国になって、日本の周りに迫りくる覇権主義に対抗することであり、それまでは、米国がいずれの政権になっても親密な関係を保つのが最善だ。